テルナテ島

テルナテ島の概要

テルナテ島（テルナテとう、インドネシア語: Ternate）は、インドネシアのモルッカ諸島に所在する魅力的な島です。中央のハルマヘラ島から西海岸沖合におよそ10kmの位置にあり、面積は106平方キロメートルです。2002年の調査によると、島の人口は約95,921人に達しています。主要な都市はテルナテ市で、島の東海岸に位置しています。

この島は、南側に幅約1kmの海峡を挟んでティドレ島と隣接しています。サイズと地形が非常に似通っているため、しばしば双子の島として描かれています。テルナテ島は、1999年に新たに北マルク州が設立されたことにより、その州の事実上の州都となりました。元々マルク州に属していたが、この行政区分の変更により、テルナテは重要な地域の中心地に位置付けられました。

自然環境と火山活動

テルナテ島の最高峰は活火山であるガマラマ山で、その標高は1,715メートルに及びます。この火山は過去に何度も噴火を繰り返しており、1538年には記録に残る70回以上の噴火が発生しています。特に1980年9月には大規模な噴火が発生し、周辺のティドレ島に約30,000人が避難する事態となりました。

また、交通の便も良く、バタビア航空などがジャカルタとの直行便を運航しており、地元の航空会社も周辺の便を提供しています。島内の輸送手段としてはバスが利用され、テルナテには港も設けられています。

歴史的背景

テルナテ王国は19世紀にオランダの植民地化が始まる以前、現在のインドネシア東部を広く支配していました。特に16世紀末に、スルタン・バブラ（Baabullah）の治世下では、スラウェシ島の東部やモルッカ諸島全体、小スンダ列島、パプアの一部までその影響力が及びました。この時期が王国の最盛期とされています。

さらに、テルナテ島は丁子の重要な生産地として知られ、ヨーロッパ人が訪れる前から中国やマレーの商人が訪れていました。13世紀には、マレー人によってスルタン家が設立され、以降48代にわたって続いています。交易活動を通じてイスラム教が広まり、王家や住民の改宗が進行しました。

1512年、ポルトガルの探検家フランシスコ・セランがマラッカから難破し、地元住民に救助されました。この時、スルタン・Abu Laisが彼らをテルナテ島に迎え入れ、ポルトガルとの同盟を結びますが、次第にポルトガルの干渉が強まり、1575年には島から追放されました。

その後、スペイン人がポルトガルに対抗する形でティドレ島に拠点を築き、2006年にはテルナテ島のポルトガルによる砦を占拠し、スルタンを捕えてマニラへと連れ去りました。オランダは1599年からモルッカ諸島に進出しており、1607年にはテルナテの一部を占領し、1663年にスペインが撤退するまでの間、オランダ領とスペイン領に二分される事態が続きました。

オランダは丁子の栽培地を管理の容易なアンボン島などに移転させたため、テルナテ島は貿易の輝かしい時代を経て、次第にモルッカ諸島の政治と経済の中心をアンボンへと譲ることとなります。こうした歴史的背景を持つテルナテ島は、交易や文化交渉の重要な舞台として今もなお多くの人々を惹きつけています。

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