ディラントーマス

ディラントーマス (Dylan Thomas)

ディラントーマスは、アイルランドで生まれた競走馬で、特に芝の中長距離を得意としていました。彼の輝かしいキャリアには、アイリッシュダービー、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス、そして凱旋門賞における優勝が含まれています。これにより、彼は2007年度のカルティエ賞で年度代表馬や最優秀古馬にも選ばれました。また、彼の血統には、半姉としてチェヴァリーパークステークスを制したクイーンズロジック、半妹としてイギリス1000ギニーの勝ち馬であるホームカミングクイーンがいます。

初期の競走生活（2005年・2006年）

ディラントーマスは、2歳と3歳のシーズンでその素質を開花させました。デビューからの初戦では2連勝を果たし、続く重賞オータムステークス（G3）では単勝1番人気となりましたが、惜しくも2着という結果でした。初のG1挑戦となったレーシングポストトロフィーでは6着に終わりますが、2006年のダービートライアルステークスで重賞初勝利を飾り、その後のダービーステークスで3着に入線しました。アイリッシュダービーでは初めてのG1制覇を達成し、以降はアイリッシュチャンピオンステークスでも勝利を収めます。

アメリカへの遠征も試みましたが、初めてのダートレースで惨敗し、その後は休養に入ることとなりました。

競走人生の絶頂（2007年）

2007年、ディラントーマスは復活を果たし、アレッジドステークスで圧勝。その後のガネー賞（G1）でも勝利を重ねます。キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスでは、強力なライバルを抑えて勝利を収め、再度実力を証明しました。続くレースではエプソムダービー勝ち馬オーソライズドに敗れますが、アイリッシュチャンピオンステークスでは連覇を果たし、勢いを増します。

そして、彼の最も輝かしい瞬間は凱旋門賞でした。このレースは3歳馬が有利とされていましたが、ディラントーマスは必死の戦いの末、見事に優勝。エイダン・オブライエン調教師に初の凱旋門賞勝利をもたらしました。この年は、彼がキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスと凱旋門賞を同時に制覇した稀有な年であり、競馬の歴史に語り継がれる偉業となりました。

しかし、レース後には斜行による審議があり、論争を呼ぶ場面もありました。続くブリーダーズカップ・ターフでは敗北し、その後のジャパンカップ出走予定は馬ウイルス性動脈炎の影響で叶わず、香港ヴァーズに出走しましたが、ここでも期待に応えられず、結果的に大敗しました。

種牡馬時代と代表産駒

2008年からはアイルランドのクールモアスタッドで種牡馬としてのキャリアが始まり、初年度の種付料は5万ユーロでした。彼の初年度産駒は2011年にデビュー。代表産駒としては、ブレイジングスピード（2014年香港スチュワーズカップなど）、ニンフェア（ベルリン大賞）、タネリー（E.P.テイラーステークス）などが名を連ねています。また、甥には2020年の英ダービー勝ち馬サーペンタイン、2024年のファルコンステークス勝ち馬ダノンマッキンリーがいます。

ディラントーマスは、その記録と成果から競馬界において重要な存在として名前を刻み続けています。

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