デビン・メソラコ

デビン・メソラコ：栄光と苦難の捕手人生

デビン・ダグラス・メソラコ（Devin Douglas Mesoraco）は、1988年6月19日、アメリカ合衆国ペンシルベニア州パンクサトーニー出身の元プロ野球選手です。ポジションは捕手で、右投右打でした。その恵まれた体格と強肩強打から、将来を嘱望された選手でしたが、度重なる故障に苦しみ、短い現役生活を送りました。

プロ入り前

高校時代から、メソラコはすでにその才能を発揮していました。強肩強打の捕手として、多くのスカウトから注目を集め、将来のメジャーリーガー候補として期待されていました。しかし、2006年にはトミー・ジョン手術を受けるという試練も経験します。それでも、メソラコの評価は揺るがず、2007年のMLBドラフトでシンシナティ・レッズから1巡目（全体15位）という高順位で指名を受けました。同年6月22日には、140万ドルの契約金でレッズに入団し、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。

シンシナティ・レッズ時代

プロ入り後の数年間は、メソラコにとって苦難の時期でした。故障が相次ぎ、期待されたほどの活躍を見せることができませんでした。打撃、守備ともに精彩を欠き、「外れドラ1」という厳しい評価を受けることもありました。しかし、メソラコは諦めませんでした。2010年には、A+級リンチバーグ・ヒルキャッツ、AA級カロライナ・マドキャッツ、AAA級ルイビル・バッツの3球団で合計打率.302、26本塁打、75打点、盗塁阻止率41％という素晴らしい成績を記録し、周囲の評価を覆しました。2011年もAAA級ルイビルで打率.289、15本塁打、71打点を記録し、前年の好成績がフロックではないことを証明しました。そして、同年9月3日のセントルイス・カージナルス戦でついにメジャーデビューを果たします。

2014年はメソラコにとって飛躍の年となりました。開幕を故障者リストで迎えたものの、復帰後にレギュラーに定着し、オールスターにも初選出されました。規定打席には到達しなかったものの、25本塁打を含む50本の長打を放ち、ナショナルリーグ8位となる長打率.534、OPS.893を記録しました。ジョーイ・ボットやジェイ・ブルースといった主砲が不調にあえぐ中、トッド・フレイジャーと共にチームを牽引しました。得点圏打率も.317、11本塁打と勝負強さも見せました。

しかし、2015年以降は再び故障に苦しむことになります。同年1月26日には4年総額2800万ドルで契約延長したものの、6月29日に左側臀部の手術を受け、シーズンを終えることになりました。2016年、2017年も故障の影響で出場機会は限られ、かつての輝きを取り戻すことはできませんでした。

ニューヨーク・メッツ時代

2018年5月8日、メソラコはマット・ハービーとのトレードでニューヨーク・メッツへ移籍しました。しかし、メッツでも目立った活躍をすることはできず、同年オフにFAとなりました。2019年にはマイナー契約でメッツと再契約しましたが、メジャー昇格は叶わず、他球団とのメジャー契約を求めて契約解除を要求し、制限リストに加えられました。

引退後

2020年9月より、メソラコはピッツバーグ大学のボランティアアシスタントコーチに就任し、指導者としての道を歩み始めました。

プレースタイル

メソラコは優れた打撃技術を持つ捕手として評価されていました。守備では強肩を誇っていましたが、技術的に未熟な面もあり、エラーやパスボールがやや多いという課題もありました。

デビン・メソラコは、その才能と努力で一度はメジャーリーグの舞台で輝きを放ちましたが、度重なる故障に苦しみ、短い現役生活を終えました。しかし、その記憶は、多くの野球ファンの心に刻まれています。

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