デリック・メイ (野球)

デリック・メイ：波乱万丈な野球人生

デリック・ブラント・メイ（Derrick Brant May, 1968年7月14日 - ）は、アメリカ合衆国ニューヨーク州出身の元プロ野球選手であり、現在は野球指導者として活躍しています。右投左打の外野手として、そのキャリアは波乱に満ちていました。

MLBでのキャリア

1986年のMLBドラフトでシカゴ・カブスから1巡目（全体9位）という高い評価で指名され、プロ入りを果たしました。1990年にメジャーデビューを果たし、その後10年間で6球団を渡り歩くという、決して順風満帆とは言えないキャリアを過ごしました。

千葉ロッテマリーンズでの活躍

1999年途中からはメキシカンリーグでプレーしていましたが、2000年オフに千葉ロッテマリーンズの入団テストに合格し、日本球界に挑戦しました。来日1年目の2001年には、31本塁打を放ち、主砲としての期待に応えました。福浦和也やフランク・ボーリックらと共に強力クリーンナップを形成し、チームの得点力向上に大きく貢献しました。2002年も23本塁打と30本には届かなかったものの、勝負強い打撃でチームトップの90打点を記録しました。

しかし、2002年4月1日の対ダイエー戦では、球審の判定に不服を示し、足で砂をかけるという行為で退場処分を受けるという一面もありました。2003年には不調に陥り、二軍落ちを経験。その後、リック・ショートやホセ・フェルナンデスの活躍もあり、外国人枠の関係から戦力外通告を受け、チームを去ることとなりました。

ロッテ在籍時の応援歌は、Dropkick Murphysの「For Boston」が原曲で、「D・メイ」コールが球場に響き渡りました。この応援歌は、後にマット・フランコ、神戸拓光へと引き継がれていきました。

引退後の指導者としてのキャリア

引退後は、指導者としての道を歩み始め、2005年から2010年にかけては、セントルイス・カージナルス傘下のマイナーリーグで打撃コーチを務めました。2011年には、カージナルス傘下マイナーリーグの打撃コーディネーターに就任し、若手選手の育成に尽力しました。

2016年には、カージナルスの打撃コーチ補佐としてメジャーの現場に戻るも、1年で退任。2017年には、コロラドロッキーズ傘下のマイナーリーグチームのコーチとして活動しました。2022年には、韓国KBOリーグのSSGランダースで二軍打撃コーチを務めるなど、国際的な指導者としての経験も積んでいます。

その他の活動

2019年5月には来日し、千葉県内のトイザらスでトークショーを開催。ロッテ時代のチームメイトであるサブローとも再会を果たし、親交を深めました。また、2021年には、MLBドラフトで指名された大学生が参加するサマーリーグのチームでコーチを務めるなど、幅広い活動を続けています。

家族

父のデーブ・メイもメジャーリーガーであり、ミルウォーキー・ブルワーズ時代にはオールスターにも出場。その後、ハンク・アーロンのトレード相手としてアトランタ・ブレーブスに移籍するなど、12年間にわたってプレーしました。まさに、野球一家で育ったと言えるでしょう。

記録

NPB初記録

初出場・初先発出場：2001年3月24日、対西武ライオンズ1回戦（西武ドーム）、6番・右翼手
初安打・初本塁打・初打点：2001年3月25日、対西武ライオンズ2回戦（西武ドーム）、1回表に石井貴から右越先制2ラン
初盗塁：2002年7月27日、対西武ライオンズ16回戦（西武ドーム）

背番号

27（1990年 - 1994年）
12（1995年 - 同年途中）
16（1995年途中 - 1996年）
34（1997年）
14（1998年）
29（1999年）
00（2001年 - 2003年）
48（2016年）
87（2022年）


このように、デリック・メイは、選手としても指導者としても、常に野球に情熱を注ぎ、波乱に満ちたキャリアを歩んできました。

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