京広線

京広線について

京広線は、中華人民共和国の首都である北京と、華南地方の中心都市である広州を結ぶ、中国の主要な鉄道路線の一つです。その全長は2,324kmに及び、中国の南北を結ぶ大動脈として重要な役割を果たしています。

歴史

京広線の歴史は、長江という大河によって分断されていた武漢という地域を境に、南北で別々に建設されたことに起因します。かつて、長江を渡る橋がなかった時代には、南北の鉄道は渡船で連絡されており、旅客や貨物の輸送には大きな困難が伴いました。1957年に武漢長江大橋が開通したことで、ようやく南北の鉄道が繋がり、現在の京広線が誕生しました。

北側部分（北京～漢口）

京広線の北側部分にあたる北京と漢口を結ぶ区間は、清朝時代の1897年4月に、ベルギーからの借款によって建設が開始されました。1906年4月には全線が開通し、京漢線と命名されました。その後、1927年には北京の名称が北平に変更されたことに伴い、平漢線と改称されましたが、1949年には再び京漢線に戻されました。

南側部分（武昌～広州）

京広線の南側部分にあたる武昌と広州を結ぶ区間は、1900年7月にイギリス、フランス、ドイツの三ヶ国からの借款によって建設が始まりました。1916年に広州～韶関間が開通し、1918年9月には武昌～長沙間が開通しました。1936年4月には韶関～長沙間が開通し、粤漢線と命名されました。その後、1944年には大陸打通作戦によって日本軍に占領されることとなりました。

全通後

1957年10月、武漢長江大橋が開通したことで、京漢線と粤漢線がつながり、現在の京広線として一本の路線となりました。1996年9月1日には、京広線の輸送力緩和を目的とした京九線が開業しました。1997年から2005年にかけて5度にわたるスピードアップが実施された結果、北京西～広州間の所要時間は、かつての40時間から22時間に短縮されました。

路線

京広線は、北京と上海を結ぶ京滬線とともに、中国国内において非常に重要な路線の一つです。主な駅としては、北京西駅、保定駅、石家荘駅、邯鄲駅、新郷駅、鄭州駅、漯河駅、信陽駅、漢口駅、武昌駅、岳陽駅、長沙駅、株洲駅、衡陽駅、郴州駅、韶関東駅、広州駅などが挙げられます。

関連事項

京港旅客専用線
中華人民共和国の鉄道
京九線
粤漢線
* 二・七京漢線ストライキ（二・七惨案）

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