トゥ族

トゥ族：中国のモンゴル系少数民族

トゥ族は、中国に居住するモンゴル系少数民族です。別名トゥー族とも呼ばれ、中国政府が公式に認める民族の一つです。人口の大部分は青海省と甘粛省に集中しており、2000年の国勢調査では約24.1万人と推定されています。

歴史

トゥ族の起源は、7世紀から9世紀にかけてチベット高原で栄えた吐蕃（チベット帝国）によって滅ぼされた鮮卑慕容部の一派、吐谷渾に遡ると考えられています。その後、モンゴル族や漢族などとの交流を経て、清王朝時代までに現在のトゥ族が形成されたとされています。

古くはモンゴル地域に居住していたトゥ族ですが、1227年、チンギス・カン率いるモンゴル帝国が西夏王朝を征服した際に、現在の青海省と甘粛省に居住地を移しました。モンゴル族と区別するために「ツァハン蒙古爾」と自称していたことも知られています。

その後、人口は減少傾向にありましたが、1949年の中国人民共和国成立後、中国政府が実施した民族識別政策によって人口は急速に増加しました。この政策は、漢民族以外の民族を特定し、保護することを目的としていました。

自治地方

トゥ族は、いくつかの自治地方を形成しています。

青海省:
大通回族トゥ族自治県
民和回族トゥ族自治県
互助トゥ族自治県

チョネ県:
勺哇トゥ族郷

これらの自治地方では、トゥ族の文化や伝統を守りながら、独自の行政を運営しています。

言語

トゥ族には独自の文字がありませんでしたが、1979年から中国語のピンインを基にしたラテン文字による表記が導入され、言語の記録・保存が進められています。トゥ族の人々の約85%は、モンゴル系の言語であるモングォル語を話します。その他、中国語やチベット語なども使用されています。

文化

トゥ族の文化は、モンゴルの文化と多くの共通点を持っています。生活習慣や伝統行事など、モンゴル文化の影響が色濃く残っています。

宗教

トゥ族の多くはチベット仏教を信仰しています。道教を信仰する人もいます。仏教寺院や道教寺院の僧侶の中には、シャーマン（祈祷師）の役割も担う人がいます。

関連項目

中国の少数[[民族]]
トゥチャ族（注：トゥチャ族と名前が似ているため、民族識別政策時に「土家族」と名付けられた民族とは別です。）
* 中華人民共和国

まとめ

トゥ族は、中国における独自の文化と歴史を持つモンゴル系少数民族です。モンゴル文化との深い繋がりを持ちながらも、独自の言語や宗教、そして自治地方を形成し、現在も独自の文化を維持しながら生活しています。中国政府の民族政策の影響も受けながらも、トゥ族の人々は独自のアイデンティティを保ち続けています。今後、トゥ族の文化や言語がどのように発展していくのか、注目すべき点です。

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