トラクスタン (原子力ミサイル巡洋艦)

トラクスタン（USS Truxtun, DLGN-35/CGN-35）

トラクスタンはアメリカ海軍が保有する原子力ミサイル巡洋艦で、1960年代に建造されました。当初は原子力ミサイル・フリゲートとして分類されていましたが、1975年にミサイル巡洋艦に再分類されました。本艦はアメリカ海軍における4隻目の原子力水上艦であり、設計はベルナップ級を基にして核動力化されたものです。艦名はトーマス・トラクスタン代将に由来します。

来歴

トラクスタンの建造は1957年に始まり、アーレイ・バーク大将の就任後、原子力水上艦の整備が積極的に進められました。特にベインブリッジに代表される同系列の艦の要望が強く、この流れの中でトラクスタンの建造が決定されました。設計段階では、より強力なソナーシステムの搭載が求められ、それに基づいてベルナップ級の拡大改良型として開発が進められました。

設計

トラクスタンは、基本的にベルナップ級の設計を踏襲していますが、いくつかの変更が加えられています。例えば、ナックル構造の廃止や、より巨大なラティス構造のマストが特徴です。また、原子炉にはゼネラル・エレクトリック社製のD2Gが2基搭載されており、熱出力は100〜120 MWtとされています。

装備

トラクスタンは多様な電子機器を搭載しており、戦闘指揮所の自動化を進めるために海軍戦術情報システム（NTDS）が導入されています。3次元レーダーはAN/SPS-48を用い、対空および対水上捜索レーダーもそれぞれの役割を果たしています。また艦は旗艦としての役割を果たせる設備が備わっており、6名の士官と12名の下士官兵を乗艦させることが可能です。

武器システム

本艦は重大な変更が施された武器配置を持ち、艦首側には艦砲ではなく、艦尾にテリア発射機が設置されています。またMk.10 mod.7連装ミサイル発射機は60発の弾薬を搭載可能で、陸上や水上の脅威に対しても有効です。対潜能力を強化するため、アスロックや533mmの魚雷発射管も装備されています。

艦歴

トラクスタンは1963年に起工され、1967年に就役。就役後は様々な海域で活動し、特にベトナム戦争では重要な役割を果たしました。数回の配備を経て、艦は兵器の運用訓練や公試を行いながら、アメリカ西海岸では訓練任務に欠かせない艦艇となりました。1970年代には結構な頻度で西太平洋地域に展開し、様々な任務を遂行しました。

結論

トラクスタンは1975年に除籍され、最終的には廃棄の運命を遂げましたが、その活動履歴はアメリカ海軍の発展を語る重要な要素となっています。ベトナム戦争において得た7つの従軍星章や任務による栄誉は、艦の功績を象徴するものであり、今でも多くの海軍ファンから注目されています。

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