トリパラディソスの軍会

トリパラディソスの軍会の概要

トリパラディソスの軍会（Pacto de Triparadiso）は、紀元前321年にシリアのオロンテス川近くの都市トリパラディソスで開催された、アレクサンドロス大王の遺将たちによる権力分配の協定である。この会議は、紀元前323年のバビロン会議での決定を見直す形で行われ、後の歴史に大きな影響を与えることになる。

背景

アレクサンドロス大王が死去した後、その帝国は急激な権力の空白状態に陥った。後継者として異母兄弟のピリッポス3世と幼いアレクサンドロス4世が名を連ねるものの、実際の政治が行える者はおらず、ペルディッカスが摂政となり政権を握ることとなった。しかし、彼の実権に対する対抗勢力として、アンティパトロスやプトレマイオスなどのディアドコイたちが現れ、内部での対立が深まっていった。

紀元前321年、ペルディッカスがプトレマイオスの拠点であるエジプトに攻め入る途中、部下たちの策略によって暗殺されるという事件が発生。これを受けて、権力の空白を解消するべく、ディアドコイがトリパラディソスに集まり、この重要な会議が開かれたのである。

決定内容

トリパラディソスの軍会では、バビロン会議で決まった役職と領土の再編が行われた。プトレマイオスが摂政にペイトンとアリダイオスを推薦したものの、反発を受けて最終的にはアンティパトロスが摂政に任命された。エウリュディケ2世が出した強い反対はあったが、彼女の計画は挫折した。

新たに設定された役職や地位には以下のようなものがある:

• - 摂政: アンティパトロス
• - 千人隊長（全騎兵隊長）: カッサンドロス
• - 全権将軍（全軍総司令官）: アンティゴノス

この会議では新しい太守領も設定され、以下のような配置がなされた:

• - ヘレスポントス・フリュギア：アリダイオス
• - リュディア：クレイトス
• - カッパドキア：ニカノル
• - バクトリアとソグディアナ：スタサノル
• - インドのパラパミソス山付近：ペイトン

留任者と変動の少ない者

バビロン会議からの継続的な役職や領域の管理もなされ、以下のような留任が行われた:

• - エジプト: プトレマイオス
• - シリア: ラオメドン
• - メディア: ペイトン

このようにして、トリパラディソスの軍会はアレクサンドロス大王の後を継ぐ政権の基盤を形成する重要な役割を果たした。もともとのバビロン会議からの指針を修正し、新たな権力バランスを模索する過程において、各ディアドコイの力関係や地域の均衡を考慮した配分がなされた。

参考文献

本節ではトリパラディソスの軍会に関する資料として、ポンペイウス・トログスの『地中海世界史』や、アリアノス、ディオドロスの記述が挙げられる。これらによって、当時の権力図や動向を理解する手助けとなるだろう。

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