トルクメニスタンの鉄道

トルクメニスタンの鉄道網

トルクメニスタンの鉄道は、1880年に建設が開始されたカスピ海横断鉄道の一部を起源としています。ソ連崩壊後、国内の鉄道網はトルクメニスタン鉄道運輸省が所有・運営しています。2012年時点での総延長は3550.9キロメートルに及びますが、全線非電化となっています。主要路線であるテュルクメナバート（旧チャルジョウ）-アシガバート-トルクメンバシ（旧クラスノボツク）間の一部は複線化されています。

機関区はアシガバート、ベレケト、トルクメンバシ、マル、テュルクメナバート、アムダリア、ダショグズに設置されています。旅客輸送は、タジキスタンやウズベキスタンからの通過列車を除き、国境で制限されています。

使用されるディーゼル機関車は、2TE10L、2TE10U、M62形が中心で、近年は中国製のCKD9Aやカザフスタン製のTE33Aも導入されています。入換用としてはTEM2、TEM2U、CHME3が使われています。

歴史

カスピ海横断鉄道は、ロシア帝国にとって戦略的に重要な意味を持っていました。同時に、ロシアの民間資本の進出を促進し、トルキスタンや中央アジアの経済発展にも大きく貢献しました。

1880年9月、最初の区間がカスピ海東岸からモーラカラ村まで開通。1881年10月にはセルダルまで延伸しました。1885年から1886年にかけては、アムダリヤ川までの第二区間が開通し、主要な集落を結びました。1887年末には、アムダリヤ川に架かる長さ2キロメートルの木造橋が完成しましたが、1901年の洪水で落橋。その後、石造りの橋脚を持つ金属製の橋に架け替えられました。

1888年にはサマルカンドまで、1898年にはタシケントまで路線が延伸。1894年から1895年にかけてはクラスノボツクまでの路線が完成しました。

1922年、レーニンの指示により、中央アジアの乾燥地帯に適した機関車の製造が開始。1931年には、クラスノボツク-チャルジョウ間でディーゼル牽引が導入されました。1955年には、トルクメニスタン国内のすべての鉄道輸送がディーゼル化されました。

第二次世界大戦中、鉄道輸送は重要な役割を果たしました。スターリングラード（現在のボルゴグラード）とコーカサスの戦いでは、クラスノボツク港とアシガバート駅が、バクー、南コーカサス、黒海沿岸地域とソ連各地を結ぶ唯一の輸送路となり、北部カフカス戦線およびザカフカス戦線への軍隊と軍需物資の輸送を担いました。

戦後、トルクメニスタンは鉄道網の整備を継続。ほとんどの駅舎が快適な旅客施設を備え、プラットフォームや日よけが設置されました。2013年5月12日にはカザフスタンからの鉄道が開通し、国際輸送が開始されました。2013年6月には、トルクメニスタン、アフガニスタン、タジキスタンを結ぶ鉄道のトルクメニスタン区間の建設が始まりました。2013年10月には、アシガバートにトルクメニスタン鉄道運輸省の新庁舎が完成。2014年12月3日には、イラン、カザフスタン、トルクメニスタンを結ぶ鉄道が開通しました。

鉄道事業者と路線

トルクメニスタン鉄道が運営しており、10路線が存在し、そのうち5路線は急行列車です。列車は毎日運行しています。

主な旅客列車は以下の通りです。

602/601 アシガバート - セルヘタバット - アシガバート
605/606 アシガバート - トルクメンバシ - アシガバート
607/608 ベレケト - グズレトレク - ベレケト
610/609 テュルクメナバート - ギャゾジャック - テュルクメナバート
612/611 アシガバート - テュルクメナバート - アシガバート

主な急行列車は以下の通りです。

3/4 アシガバート - テュルクメナバート - アシガバート
11/12 アシガバート - アムダリア - アシガバート
89/90 アシガバート - トルクメンバシ - アシガバート
93/94 アシガバート - ダショグズ - アシガバート
96/95 アシガバート - アムダリア - アシガバート

隣接国との鉄道接続

カザフスタン - 接続あり
ウズベキスタン - 接続あり
アフガニスタン - 接続あり
イラン - 接続あり
アゼルバイジャン - 直接の接続はありませんが、新バクー港とトルクメンバシ駅を結ぶ鉄道連絡船が存在します。

関連事項

トルクメニスタンの交通
トランス・アラル鉄道
カスピ海横断鉄道
カラクム横断鉄道 アシガバート - ダショグズ
南北輸送回廊（カザフスタン・トルクメニスタン・イランの鉄道）ジャナオゼン - ベレケト - ゴルガーン

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