トロイゼーン

トロイゼーンの概要

トロイゼーン（古代ギリシア語: Τροιζήν）は、ギリシャのペロポネソス半島北東部に位置する歴史ある都市国家で、現在はトリジナとして知られています。この地域はテーセウスの誕生の地として神話に名を刻んでいます。現代のトリジナはアッティカ地方に属し、トリジニア市の一部として位置付けられています。

地理

トロイゼーンは、アテネから南西に約60km離れ、サロニコス湾を隔ててその位置します。コリントスからは東南の方向に、また歴史的な中心地アラゴスからも60kmほどの距離にあります。このトリジナの集落は、ガラタスから西へ約7.5kmの内陸にあり、海からは約3kmのところに位置しています。古代の遺跡が今でも見ることができ、この地域の歴史を物語っています。

歴史の流れ

古代の信仰

トロイゼーンは、ヒッポリュトスの伝説が生まれた場所でもあり、ここでは女性たちがヒッポリュトスに髪を捧げる風習がありました。紀元前480年のサラミスの海戦の際には、アテネの女性や子供たちが指導者テミストクレスの命令でトロイゼーンに避難しました。1959年には、この町の喫茶店で「テミクレトスの布告」が刻まれた石碑が発見されました。この石碑は、サラミスの戦いの200年後に作成されたと思われ、多くの歴史的背景を示しています。

トロイゼーンには小アジアのハリカルナッソスの人々によって建てられたイシスの神殿が存在し、トロイゼーンが彼らの母都市であったために人々によって奉納された像がありました。

近現代の出来事

ギリシャ独立戦争の最中、1827年5月にトリジナでは第3国民会議が行われ、ここで自由主義的な第三憲法が制定されました。また、初代大統領としてイオアニス・カポディストリアスが選出される出来事もありました。

行政区画

かつてのトリジナ市は、現在のトリジニア市に合併された結果として、トリジナ地区として新たな自治体に組み込まれました。この地域はかつてピレアス県に属していました。

文化と観光

トロイゼーンという名は、エーリス王ペロプスの息子に由来しています。兄弟のトロイゼーンとピッテウスは共に王となりましたが、トロイゼーンの死後、ピッテウスはこの地を改め、「トロイゼーン」と名付けました。また、彼の娘であるアイトラーは、英雄テーセウスを生むことになります。テーセウスはその後、巨岩を動かして父に会いに行く事となりました。

トロイゼーンはエウリピデスの悲劇『ヒッポリュトス』の舞台でもあり、神話の中で重要な役割を果たしています。この悲劇は、テーセウスの子であるヒッポリュトスと愛人パイドラーとの禁断の恋が中心となるストーリーです。

主な人物

• - ピッテウス: トロイゼーンの王
• - アイトラー: ピッテウスの娘、テーセウスの母
• - テーセウス: 多くの冒険で知られる英雄
• - ヒッポリュトス: テーセウスの息子

このように、トロイゼーンは神話や歴史と深い関わりを持ち、文化的にも豊かな地域として現在も重要視されています。

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