ナイチンゲールの歌

ナイチンゲールの歌

イーゴリ・ストラヴィンスキーの『ナイチンゲールの歌』（仏: Le Chant du rossignol、または『うぐいすの歌』）は、自作オペラ『夜鳴きうぐいす』の音楽を基に再構成した交響詩および1幕のバレエ作品です。アンデルセン童話「夜鳴きうぐいす」を原作とします。

オペラ版の作曲とその後

オペラ『夜鳴きうぐいす』は1907年委嘱開始。第1幕完成後の約4年間でストラヴィンスキーの作風が変化。1913-1914年完成の第2, 3幕は初期の第1幕と音楽様式が異なります。完成前に委嘱元が破産したため、バレエ・リュスのディアギレフが上演権を得て1914年にパリでオペラ版を初演。好評でしたが、再演は限られました。

交響詩とバレエ版の成立

ストラヴィンスキーは、様式的に近いオペラ第2, 3幕を基に交響詩を構想。1917年初頭、ディアギレフからのバレエ提案を受け同意。バレエ台本を作成し、音楽を編曲しました。

初演

交響詩版：1919年12月6日、ジュネーヴ、エルネスト・アンセルメ指揮、スイス・ロマンド管弦楽団。
バレエ版：1920年2月2日、パリ・オペラ座、バレエ・リュス公演。振付レオニード・マシーン、美術・緞帳アンリ・マティス、指揮アンセルメ、ナイチンゲール役タマーラ・カルサヴィナ。オペラ版メイクも継承されました。

バレエ初演の失敗と再演

1920年のバレエ初演は振付が不評で、わずか2回で終了。1925年、バレエ・リュスはジョージ・バランシンによる新振付で再演。ナイチンゲール役は当時15歳のアリシア・マルコワ。小柄な体躯を活かして成功しました。白一色の斬新な衣装、予算超過分の帽子費用をストラヴィンスキーとマティスが負担した逸話も。バランシン版は評価確立に貢献しました。

音楽的特徴

演奏時間は約20分。楽曲構成は3部。

1. 第1部：中国の宮殿の祭
2. 第2部：二羽のうぐいす（本物のうぐいすと機械仕掛けのうぐいす）
3. 第3部：中国の皇帝の病気と回復

楽器編成はオペラ版より縮小された2管編成で、ソロやセクションに協奏的役割が多く与えられています。主な使用楽器：フルート（ピッコロ持替）、オーボエ（コーラングレ持替）、クラリネット（Es管持替）、ファゴット、ホルン、トランペット、トロンボーン、チューバ、ティンパニ、打楽器各種、チェレスタ、ピアノ、ハープ2台、弦五部。

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