ニセコ薬師温泉

ニセコ薬師温泉：幻の秘湯を偲ぶ

ニセコ薬師温泉は、北海道磯谷郡蘭越町に位置するニセコ温泉郷にかつて存在した温泉です。浴槽の底から源泉が湧き出すという他に類を見ない特徴を持ち、日本三大秘湯の一つとしてその名を知られていました。

泉質

ニセコ薬師温泉には、それぞれ異なる泉質の3つの源泉・浴槽が存在しました。いずれも源泉掛け流し方式で、浴槽の直下から温泉が湧き出すという贅沢な造りでした。

濁り湯
泉質：ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉（旧泉質名：重炭酸ナトリウム含弱食塩泉）
源泉温度：37°C
特徴：鉄分を豊富に含み、茶褐色の湯色が特徴。「七変化の湯」とも呼ばれ、時間や気候によって色合いが変化しました。入浴すると炭酸の泡が肌に付着し、独特の温浴感がありました。混浴で洗い場はありませんでした。

透明湯
泉質：ナトリウム-塩化物泉（旧泉質名：弱食塩泉）
源泉温度：40°C
特徴：無色透明な湯が特徴。男女別浴でしたが、浴槽内でつながっていました。

露天風呂
特徴：開放感あふれる露天風呂でしたが、脱衣場が撤去され、源泉温度が低めのため冬季は利用できませんでした。しかし、湯量は豊富でした。

温泉地

ニセコ薬師温泉には、一軒宿のニセコ薬師温泉旅館がありました。周辺は支笏洞爺国立公園に指定されており、豊かな自然に囲まれた秘境の温泉地として知られていました。

しかし、2014年5月30日にニセコ薬師温泉旅館は閉館。現在は建物も解体され、湯船跡のみが残っています。それでも、湯船跡からは今も温泉が湧き出ているそうです。

歴史

1958年（昭和33年）11月1日 - ニセコ温泉郷の一部として国民保養温泉地に指定。
2014年（平成26年）5月30日 - ニセコ薬師温泉旅館が閉館。

アクセス

かつては、函館本線昆布駅から車で10分の距離に位置していました。

関連項目

日本三大秘湯
日本の温泉地一覧

ニセコ薬師温泉は、その独特な泉質と秘境感で多くの人々を魅了した温泉地でした。閉館してしまいましたが、その名は今も語り継がれ、幻の秘湯として人々の記憶に残っています。

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