ニニアン・スティーヴン

サー・ニニアン・マーティン・スティーヴン：オーストラリアの法曹界・政界を代表する重鎮

サー・ニニアン・マーティン・スティーヴン（Sir Ninian Martin Stephen、1923年6月15日 - 2017年10月29日）は、オーストラリアの法曹界、政界において傑出した足跡を残した人物です。裁判官として国内司法に貢献する傍ら、オーストラリア総督として国家の象徴としての役割を果たし、晩年は国際的な和平活動や人道支援にも尽力しました。

生涯

1923年に生まれたスティーヴンは、第二次世界大戦中にオーストラリア帝国軍に従軍。戦後、法曹界に進み、1952年にビクトリア州の法廷弁護士資格を取得。1966年には勅選弁護士（QC）に任命され、その卓越した能力を示しました。

1970年から1972年までビクトリア州最高裁判所の裁判官を務めた後、1972年から1982年までオーストラリア高等裁判所の裁判官として活躍。1979年には枢密顧問官(PC)に列せられました。1982年7月29日から1989年2月16日にはオーストラリア総督を務め、その誠実で公正な人柄で国民から広く敬愛されました。

総督退任後も、スティーヴンの活動は国際的な舞台へと広がります。1993年から1997年には北アイルランド和平会議の議長を務め、紛争解決に尽力。さらに、ユーゴスラビアやルワンダでの戦争犯罪を裁く国際法廷の裁判官も務め、人道正義の実現に貢献しました。

1994年4月23日には、エリザベス2世女王陛下よりガーター勲章（KG）を授与されました。

2017年10月29日、メルボルンにて逝去。

受章

スティーヴンは、その功績を称えられ、数々の勲章を受章しています。

1972年4月20日 - 大英帝国勲章ナイト・コマンダー（KBE）
1982年5月28日 - 聖マイケル・聖ジョージ勲章ナイト・グランド・クロス（GCMG）
1982年10月13日 - ロイヤル・ヴィクトリア勲章ナイト・グランド・クロス（GCVO）
オーストラリア勲章ナイト（AK）
* 1994年4月23日 - ガーター勲章ナイト（KG）

これらの勲章は、スティーヴンがオーストラリア社会、そして国際社会に多大な貢献をしたことの証です。

参考文献

秦郁彦編 編『世界諸国の組織・制度・人事　1840―2000』東京大学出版会、2001年。ISBN 978-4130301220


サー・ニニアン・マーティン・スティーヴンは、その卓越した能力と高潔な人格をもって、オーストラリア国内外で多大な功績を残しました。彼の生涯は、法曹界、政界に携わる人々にとって、模範となるものでしょう。

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