ニューメキシコ州の歴史

ニューメキシコ州の歴史

ニューメキシコ州の歴史は、15世紀から始まります。この地を探険したスペイン人が、プエブロ族という先住民族と初めて接触したのは1560年代のことです。さらに遡ると、1万年以上前からクローヴィス文化と呼ばれる狩猟採集社会が存在しました。農業が発展することにより、紀元1000年頃には古代プエブロ人が定住し、アドベレンガ（乾燥レンガ）や石材を用いた家を建てて暮らしました。彼らの文化は、現在のプエブロ族へと継承されています。

プエブロ族が栄えた後、スペイン人による探険が行われます。1527年のナルバエス遠征のカベサ・デ・バカは、スペインに戻った際、印象深い町の噂を伝えました。1540年代にはフランシスコ・バスケス・デ・コロナドの大規模な探険が行われ、ニューメキシコのリオ・グランデ川流域を探険しようとしましたが、伝説の黄金都市は発見されませんでした。探険中、プエブロ族に対して重大な虐待が行われ、スペイン人の統治に対する敵意が募りました。

スペイン植民地時代が進む中、フランシスコ・バスケス・デ・コロナドは1540年から1542年にかけて探険を実施しましたが、伝説の黄金都市は見つかりませんでした。しかし、この探険によって、スペインの農業や家畜がニューメキシコに持ち込まれ、その後の文化や経済に大きな影響を与えました。1598年にフアン・デ・オニャーテが最初の開拓地サンフアンを築き、スペインの勢力が広がっていきました。

1680年になると、プエブロ族はスペインに対して反乱を起こします。「ポペの反乱」として知られるこの事件では、約400人のスペイン人が殺されました。反乱は成功し、一時的にプエブロ族の支配が戻りましたが、1692年には再びスペインに征服されました。この頃からプエブロ族の文化や伝統は激しい圧力にさらされることになります。

スペインの支配が続く中で、アメリカに対する探険も進みました。ルイス・クラーク探検隊が西部の探険を行い、キット・カーソンが多くの領域を探険するなど、白人の探検家たちによる交流が始まりました。メキシコの独立により、ニューメキシコは1821年からメキシコの一部となりましたが、この期間は依然としてアメリカ合衆国の影響を色濃く受けていました。

米墨戦争が1846年に勃発し、その結果ニューメキシコはアメリカに併合されます。1848年のグアダルーペ・イダルゴ条約により、アメリカは現在のカリフォルニア州やニューメキシコ州を取得しました。これにより、アメリカ政府はニューメキシコを準州として設立し、州としての昇格を目指すことになりますが、奴隷制問題により状況は複雑化しました。

1880年代に鉄道が開通し、農業や牧畜業が発展しました。これに伴い、無法者やバイオレンス事件も多数発生し、社会は混迷を極めました。1900年代にはアパッチ族とナバホ族の抵抗が続く中、1912年にニューメキシコは正式にアメリカ合衆国の州となりました。

第二次世界大戦中、ロスアラモス国立研究所が設立され、原子爆弾の開発が進みました。この成果は1945年のトリニティ実験で明らかとなり、都市が急速に発展するきっかけとなりました。

現在、ニューメキシコ州は豊かな歴史文化を有し、独自の伝統と地元の特色を持っています。州の歴史は、先住民族との関わりや移民の影響を受け、アメリカ合衆国でも独特の地位を占めています。

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