ネック・ハンギング・ツリー

ネック・ハンギング・ツリーは、プロレスの試合で使用される技の一つです。対峙した相手の首を両手で掴み、相手の体を空中に持ち上げて首に大きな圧力を加えます。直接首を絞めるわけではないため、ルール上は反則とはみなされませんが、持ち上げられた相手の体重が首にかかることで、非常に大きなダメージを与えます。特に、その後にマットに叩きつけることで、さらに大きな衝撃を与えることが可能です。

この技は、パワーと身長に恵まれたレスラーが得意としています。具体的には、ビル・ミラー、ドン・レオ・ジョナサン、ゴリラ・モンスーン、グリズリー・スミス、ルーク・ブラウン、スタン・フレイジャー、ブラックジャック・マリガン、ザ・ハングマン、アンジェロ・モスカ、カマラ、アダム・ボム、クルガンといった選手たちが、自身の巨体と怪力をアピールするために頻繁に使用していました。ニコライ・ボルコフは、片手で相手の首を掴んで持ち上げるという、常人には考えられない怪力を見せつけました。日本においては、アーニー・ラッドが得意技として知られており、新日本プロレスに参戦した際には、アントニオ猪木からこの技で勝利を収めています。日本人レスラーでは、坂口征二もこの技を使用していました。

ネック・ハンギング・ツリーには、いくつかの派生技も存在します。

ハングマンズ・ホールド

相手と背中合わせになった状態から、後ろから両腕を回して相手の首を掴みます。そのまま相手の頭を自分の肩に乗せ、体を前傾させてカナディアン・バックブリーカーのように相手を持ち上げ、首に圧力を加えます。この技は、絞首刑を連想させるため、技をかける腕を首吊り縄に見立てて「ハングマンズ・ヌース」とも呼ばれます。また、「ハングマンズ・ネックブリーカー」や「ハンギング・ネックブリーカー」、あるいは単に「ハングマン」と呼ばれることもあります。

この技の元祖は、イタリア出身のレスラーであるバロン・レオーネとされています。日本では、ブッチャー・バションが初めて公開しました。その後、ワイルド・アンガス、ザ・ハングマン、ザ・ウルフマン、デビッド・シュルツ、デニス・ナイトなどの大型レスラーが、自身の怪力を誇示する技として使用し、ロード・ウォリアー・ホークはジミー・ガービンからギブアップを奪っています。軽量級レスラーでは、初代ブラック・タイガーの "ローラーボール" マーク・ロコが使用していました。

ネック・ハンギング・ボム

ネック・ハンギング・ツリーと同様に相手を持ち上げ、開脚ジャンプして尻餅をつきながら、相手を背中からマットに叩きつける技です。主な使い手としては、マシュー・ブルーム（ボルドー・ボムの名称で使用）やTARU（Tクラッシュの名称で使用）などが挙げられます。

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