ネビ県

ネビ県

概要

ウガンダ共和国北西部に位置するネビ県（Nebbi District）は、広大な西ナイル地方の南部に属する行政区画です。この地域は、多様な民族が共存し、特にアルール族が多数を占めています。

地理と歴史

現在のネビ県の領域は、かつて西ナイル県の一部でした。行政区画の見直しにより、1974年にアルール族が多く居住する南部のパディエレ郡、ジョナム郡、オコロ郡が分離され、「南西ナイル県」が新設されました。その後、1979年には県庁所在地の名称に合わせて「ネビ県」へと改称されました。

県内は西部のオコロ郡、中央部のパディエレ郡、東部のジョナム郡の三つの郡で構成されています。

ネビ県は複数の地域と境界を接しています。北はアルア県（旧西ナイル県の一部）、東は白ナイル川を挟んでアチョリ地方のアムル県、南東はアルバート湖を隔ててブニョロ地方のブリサ県と隣接します。また、南部および西部はコンゴ民主共和国のイトゥリ州と国境を共有しています。さらに、ゾンボ県、マディ・オコロ県、パクワチ県といったウガンダ国内の県とも隣接しています。

人口と社会

2002年の国勢調査によると、ネビ県の総人口は433,466人でした。住民の約98%がナイル系の民族で、中でもアルール族が人口の91%を占めています。その他、ジョナム族、ケブ族、レンドゥ族、ルグバラ族などが主な少数民族です。

社会的には、アルール族の伝統文化が色濃く残っています。1993年にはアルール族の連合首長国が再興され、首長の墓地なども整備されました。

経済

ネビ県の経済は農業が中心で、全住民の約85%が従事しています。

主な換金作物は、アラビカコーヒー、綿花、果物、サイザルアサです。食料作物としては、雑穀、ゴマ、サツマイモ、キャッサバ、バナナ、マメ、トウモロコシなどが広く栽培されています。

交通とインフラ

交通網では、ウガンダ鉄道がかつてトロロからパクワチまで通じていましたが、内戦で一部区間が破壊されています。主要道路として、グルとアルアを結ぶ幹線道路がパクワチ・ネビを経由し、ネビからは南へコンゴ民主共和国のブニア方面へ全天候道路が整備されています。ネビ南部のゴリには小型滑走路があり、チャーター機が利用しています。

エネルギー供給では、オコロ郡のニャガク川にニャガクダムが建設され、小規模ながら水力発電を行っています。

宗教

ネビ県は宗教的な拠点でもあります。カトリック教会ではネビ教区大聖堂があり、初代司教は後にグル教会管区の大司教に昇進しました。ウガンダ聖公会もゴリにネビ主教座を置いており、初代主教はウガンダ大主教に任命されています。

参考文献

• - EMA & ECON, "Environmental Impact Statement for Nyagak minihydro", 7 September, 2005.
• - Nebbi District Information Portal（英語）

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