ノバ・ボサ・ノバ

宝塚歌劇団のショー作品『ノバ・ボサ・ノバ』

『ノバ・ボサ・ノバ』は、1971年に星組で初演された宝塚歌劇団のショー作品です。作は鴨川清作が担当しました。正式タイトルは『ノバ・ボサ・ノバ　―盗まれたカルナバル―』で、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロを舞台に、カーニバルの熱狂の中で繰り広げられる恋と冒険の物語が展開されます。

ストーリー

物語は、カーニバル前夜のリオ・デ・ジャネイロから始まります。観光客として訪れた富豪の娘エストレーラが、大切なペンダントを盗まれてしまいます。それをきっかけに、義賊のソールと泥棒のオーロが、ペンダントを巡って様々な騒動を引き起こします。同時に、ソールとエストレーラ、オーロと物売り娘のブリーザ、そしてメール夫人とボールソという3組の恋が、それぞれ複雑に絡み合いながら進行していきます。

物語の狂言回しとなるのは、ルーア神父とシスター・マーマです。ソールはペンダントを追ううちにエストレーラと恋に落ちますが、身分違いの恋に苦悩します。一方、オーロはブリーザと激しい恋に落ちます。しかし、ブリーザの婚約者であるマールは嫉妬に狂い、オーロを刺そうとして誤ってブリーザを殺してしまいます。一夜明け、ソールはペンダントを取り戻しますが、エストレーラと別れのキスを交わし、彼女は去って行きます。エストレーラが残したペンダントは、再び流れ流れてシスター・マーマの義援金箱の中へ。物語は、カーニバルの熱狂の中で幕を閉じます。

主な登場人物

ソール: 義賊。
エストレーラ: 観光客の富豪の娘。
オーロ: 泥棒。
マール: 物売り。ブリーザの婚約者。
ブリーザ: 物売り。マールの婚約者。
メール夫人: エストレーラの母。
ルーア神父
シスター・マーマ: 尼僧。
ボーロ: ソールを慕う少年。
ボールソ: オーロの子分。

上演記録

『ノバ・ボサ・ノバ』は、初演以来、各組で何度も再演されています。主な上演記録は以下の通りです。

1971年 - 1972年：星組公演
1971年5月29日 - 6月29日：宝塚大劇場
1972年3月2日 - 3月29日：東京宝塚劇場
1972年4月9日 - 4月20日：中日劇場
1972年5月18日 - 5月28日：福岡スポーツセンター

1971年 - 1972年：雪組公演
1971年8月6日 - 8月31日：東京宝塚劇場
1972年10月3日 - 10月31日：宝塚大劇場

1976年：花組公演
1976年8月12日 - 9月28日：宝塚大劇場
1976年10月29日 - 11月28日：東京宝塚劇場
1977年3月3日 - 3月13日：中日劇場

1999年：雪組公演
1999年4月2日 - 5月10日：宝塚大劇場
1999年7月2日 - 8月15日：TAKARAZUKA1000days劇場

1999年：月組公演
1999年5月14日 - 6月21日：宝塚大劇場
1999年8月20日 - 9月27日：TAKARAZUKA1000days劇場

2011年：星組公演
2011年4月15日 - 5月16日：宝塚大劇場
2011年6月3日 - 7月3日：東京宝塚劇場
2011年8月1日 - 8月23日：博多座
2011年9月17日 - 9月25日：中日劇場

スタッフ

『ノバ・ボサ・ノバ』は、鴨川清作の作・演出をはじめ、数多くの才能あるスタッフによって支えられています。特に音楽面では、中井光晴、入江薫、寺田瀧雄、吉崎憲治といった作曲家が、この作品を彩る数々の名曲を生み出しました。振付は喜多弘が中心となり、情熱的なダンスシーンを創り上げています。装置や衣装も、ブラジルの雰囲気を忠実に再現しており、観客を魅了する要素の一つとなっています。各公演によって、演出やスタッフに若干の違いがあります。

キャスト

各公演で、様々なスターが主要な役を演じてきました。初演時の出演者から、近年の再演まで、多くのスターがこの作品に携わり、それぞれの個性を発揮しています。役替わり公演も多く行われ、その都度、新たな魅力を発見できるのも、この作品の魅力の一つです。

その他

『ノバ・ボサ・ノバ』は、その音楽やダンス、衣装の華やかさだけでなく、ドラマティックなストーリー展開も魅力の一つです。再演の度に、新たな演出や解釈が加えられ、常に新鮮な感動を観客に与え続けています。

この作品は、宝塚歌劇団の代表作の一つとして、長く愛され続けています。

スタッフ詳細

（各公演のスタッフ詳細は、原文を参照してください。）

参考文献

橋本雅夫『宝塚歌劇の60年別冊・年譜　最近の10年』宝塚歌劇団、1974年。
森照実・春馬誉貴子・相井美由紀・山本久美子『宝塚歌劇の90年史『すみれの花歳月を重ねて』』宝塚歌劇団、2004年。ISBN 4-484-04601-6。
小林公一『宝塚歌劇100年史 虹の橋 渡りつづけて（舞台編）』阪急コミュニケーションズ、2014年。ISBN 978-4-484-14600-3。
小林公一『宝塚歌劇100年史 虹の橋 渡りつづけて（人物編）』阪急コミュニケーションズ、2014年。ISBN 978-4-484-14601-0。

外部リンク

宝塚歌劇団
2011年・星組宝塚大劇場公演
2011年・星組東京宝塚劇場公演
2011年・星組博多座公演
2011年・星組中日公演

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