ハミディイェ (防護巡洋艦)

ハミディイェ（Hamidiye）

ハミディイェは、オスマン帝国の海軍で活躍した防護巡洋艦であり、唯一の艦種として知られています。この艦は特異な設計を持ち、海軍の戦略的重要性を物語る存在でした。

概要

1901年度の計画に基づき、イギリスに発注されたこの艦は、予算上の問題で機関の調達に苦労し、結果的に旧式のボイラーが使用されることになりました。これにより艦の性能が影響を受けましたが、それでも海域での役割を果たしました。

艦形

ハミディイェのデザインは多くの詳細が考慮されており、艦首には水面下に衝角が付いており、魚雷発射管が装備されています。主砲として採用された15.2cmの単装砲架は、防盾に守られ、艦の前部に設置されています。艦の上部構造物は、船橋を中心に形成され、煙突は中央部に3本立っています。艦載艇は船体の片舷2組で運用され、これは他の艦船に見られる一般的なシステムでもあります。

また、左右の舷側には副砲となる12cm速射砲が配置されており、合計8基が装備されています。後部には同様のデザインのマストが立っており、副砲の配置も艦の防御力を高めるための工夫がなされています。

武装

主砲として搭載された「1899年型 15.2cm速射砲」は、重量45.4kgの砲弾を最大13,350mの距離まで発射可能で、砲架の旋回能力は300度に及びます。発射速度は毎分約5～7発というもので、もう一つの主要な対水雷艇火器は「12cm速射砲」で、こちらは最大10,940mまでの射程を持ちます。

他にも、近接火器として「47mm単装砲」や「オチキス 37mm機砲」を装備し、対艦攻撃のために45.7cmの水中魚雷発射管も備わっています。1915年には武装の一部が撤去され、後に近代化改装が行われ、新しい主砲や魚雷発射管を追加して性能を向上させました。

艦歴

ハミディイェはアームストロング・ホイットワース社で建造され、1903年に進水しました。名称は「AbdülHamid」として計画されていましたが、1908年の革命後に改名されたとされます。この艦は1911年に観艦式に参加し、当時の海軍演習にも参与しました。しかし、伊土戦争勃発の際には状況を知らず、戦争中はダーダネルス海峡を出ることがありませんでした。

第1次バルカン戦争では艦が活躍し、敵の艦艇との交戦も行われました。しかし戦闘の中で魚雷攻撃を受けるも、艦内のダメージコントロールがしっかりしていたため、致命的な損傷を免れました。

第一次世界大戦

1914年に始まる第一次世界大戦では、ハミディイェはフェオドシヤやヤルタなどを砲撃し、主に輸送船の護衛に従事しました。戦争中、艦は数回の攻撃を行い、敵艦艇に損害を与えました。

戦後の動向

第一次世界大戦後には希土戦争にも参加し、周辺情勢に応じて艦隊を再編成しました。1925年から1926年にはコジャエリ県で近代化を施し、武装も一新されました。1930年には老朽化した機関が更新され、戦後まである程度の活動を続けましたが、1945年には除籍され、1949年から1951年には博物館として展示された後、1964年に解体されました。

まとめ

ハミディイェはオスマン帝国海軍の重要な艦艇であり、艦の設計、武装、艦歴の全てにおいて多くの歴史的背景が詰まっています。彼女の存在は、オスマン帝国の海軍力とその艦艇に対する評価を象徴するものとなっています。

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