ハンス・モーティア

ハンス・モーティアのプロレスキャリア

ハンス・モーティア（本名：Jacob Grobbe）は、1924年の1月28日にオランダに生まれ、プロレス界で名を馳せたアメリカのレスラーです。彼は、ボディビルで鍛えた筋肉質の体を活かし、特に1960年代にはその個性的なキャラクターで多くのファンを魅了しました。彼はプロレス界においてマッチョ系レスラーの先駆者ともいえる存在でした。

来歴

モーティアは、第二次世界大戦後の1946年にアメリカに渡ると、ボディビルを経てレスラーとしてデビューしました。当初はダッチ・ハウレット名義で活動し、1946年から1950年代初頭にかけてオハイオ地域を拠点に戦いました。1950年には、有名なレスラーたちと対戦し、同年の6月にはハードボイルド・ハガティと組んでアメリカン・タッグ王座を獲得しました。

その後、1950年代中盤からは覆面を被るスタイルに移行し、グレート・ゾロやマイティ・ゾロと名乗り、さらに1956年にはルー・テーズのNWA世界ヘビー級王座に挑戦するなど、目覚ましい活躍を見せました。1958年のNWA北米ヘビー級王座トーナメントでは、全ての対戦相手を打ち破り、新たな王者に輝くという快挙も達成しました。

1963年には金ラメのヘッドギアを被り、その名をハンス・モーティアに戻してWWWFで素顔で活動を開始しました。ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでは、世界ヘビー級王者ブルーノ・サンマルチノに連続挑戦し、その独特なキャラクターと戦い方で観客を魅了しました。エドワード・カーペンティアやボボ・ブラジルとの抗争においてもヒールとしての存在感を発揮しました。

日本での活動

モーティアは1966年に日本に初来日し、ターザン・ゾロとして活動を開始します。名古屋市金山体育館でフリッツ・フォン・エリックと組み、ジャイアント馬場&吉村道明の保持するインターナショナル・タッグ王座に挑戦しました。その後、日本武道館でも試合を行い、同年に日本のプロレス界での地位を確立しました。

晩年と引退後

キャリアの後半においても、モーティアは覆面レスラーとして活躍し、特にカナダのモントリオール地域での成功が目を引きます。さらにその後は、さまざまなリングネームを使い、世界各地で試合を重ねました。モーティアは、国際プロレスに参加し、日本のレスラーたちと対戦を続けつつも、同時に病気に苦しむ日々が続きました。

2010年12月15日、86歳で亡くなるまで、多くのファンに記憶され続けたハンス・モーティアは、プロレス界での影響力の大きさと、その個性的なキャラクター、試合スタイルが今なお語り継がれています。彼の存在は、レスラーたちに多大な影響を与え続けてきました。

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