ハンブルク級駆逐艦

ハンブルク級駆逐艦

ハンブルク級駆逐艦（Zerstörer Hamburg-Klasse）は、西ドイツ海軍および統一ドイツ海軍（ドイツ海軍）における駆逐艦の艦級であり、公式には101型（Klasse 101）として知られています。これらの艦は冷戦期の海軍戦力として重要な役割を果たしました。

背景と建造の経緯

第2次世界大戦後、ドイツは連合軍による非武装化政策の影響を受け、一時的に軍備を持たない状態となりました。しかし、冷戦の緊張が高まる中、1949年にはドイツ連邦共和国（西ドイツ）が成立し、その後、1951年には連邦国境警備隊、1955年には連邦軍が創設されました。これに伴い、1956年に西ドイツ海軍が設立され、駆逐艦の整備が必要とされました。

初期の艦艇新造計画では、駆逐艦12隻を建造することが決定されましたが、旧ドイツ軍の経験不足から設計には非常に苦労しました。最初に設定された計画排水量が2,500トンであったため、その後さまざまな変更が必要となり、最終的には排水量を6,000トンに引き上げての設計が進められました。

設計と改修

ハンブルク級は、既存の120型フリゲート（ケルン級）に似て、強いシアの平甲板と大きな上部構造物を特徴とする重厚な艦型に仕上がっています。1974年から1977年にかけて改装が行われ、第3主檣が撤去され、艦橋が閉鎖式に変更されたことで、外観が大きく変わりました。機関には、ワグナー高圧蒸気タービン株式会社によるボイラーと蒸気タービンが搭載され、1970年代の改修時には軽油焚きに対応するための改修も施されています。

装備内容

本級は、対潜戦を主な目的とした装備が施されていましたが、1970年代の改修により、101A近代化改修が実施されました。この改修では、PALIS（Passiv-Aktiv-Link-Lage-Informationssystem）という戦術情報処理装置が導入され、リンク 11の運用能力を備えることとなりました。このシステムは、以前はティーガー級ミサイル艇向けに設計されたもので、艦の武器管制とは接続されていないという特徴があります。また、レーダーや武器システムも更新され、対空捜索用のレーダーは新型に換装され、対艦兵器にもエグゾセ艦対艦ミサイルが搭載されるなど、性能向上が図られました。

さらに、1980年代末にはRAM近接防空ミサイルの搭載を目指して101B改修が計画されましたが、経済的な理由からほとんどの艦の改修は中止され、1994年までに全艦が運用を終了しました。

同型艦と運用歴

ハンブルク級駆逐艦は4隻が建造され、1965年4月1日に設立された第2駆逐艦戦隊に配備されました。この戦隊は1994年に解隊され、その伝統は第6フリゲート戦隊に引き継がれました。このように、ハンブルク級はドイツ海軍の重要な戦力としての役割を果たし、冷戦時代の海上安全保障に貢献しました。

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