バリアフリーマン

『キン肉マンII世』に登場するバリアフリーマンは、若き超人ニルスとスケベな老人超人ジージョマンが合体した異色の超人です。その特異な存在は、読者に強烈な印象を与えます。

主な特徴

初登場は、復活超人オリンピックザ・レザレクション編。通称「バリはん」として親しまれています。ニルスとジージョマンは、普段はニルスの右腕にジージョマンが宿る形で一体化しており、ニルスが主体となる若者ボディではパワー攻撃を得意とします。一方、ジージョマンが主体となる老人ボディでは、ニルスの体がジージョマンの腹部に収まり、寝技や関節技を駆使します。この2つのボディを状況に応じて使い分けるのが、バリアフリーマンの大きな特徴です。

ジージョマンは、万太郎同様にギャグや下品なネタを担当し、試合中でも女性の下着や自身のイボ痔を利用するなど、破天荒なファイトスタイルを見せます。対照的に、ニルスは責任感の強い真面目な性格で、バリアフリーについて真剣に考えています。超人オリンピック編では、この二人の性格のギャップから意見の食い違いが生じ、物語を盛り上げました。

略歴

二人の出会い

かつてジージョマンは、寝技と関節技の達人としてスウェーデンで高い評価を受けていましたが、そのスケベな性格が災いし、女性への度を越えたワイセツ行為が問題視されていました。その結果、超人協会から呪術師によって、何かに取り憑かないと生きられない身体にされ、ダーラナ地方の森の巨木に封印されてしまいます。

それから200年後、ダーラナの介護施設で働く超人ニルスは、理想のバリアフリー社会を建設するため、超人レスリングにデビューするも、実力不足で連戦連敗。失意の中、薪を集めに行った森で巨木に閉じ込められたジージョマンと出会います。力を欲するニルスに対し、ジージョマンは自分の右腕を差し出すことを要求。一度は躊躇するニルスでしたが、最終的にジージョマンの言葉に乗せられ、斧で右腕を切断し、ジージョマンを宿し、合体超人バリアフリーマンが誕生しました。アニメ版では、ニルスの右腕は切断されず、ジージョマンがそのまま取り付く形となっています。

超人オリンピックでの活躍

バリアフリーマンとなったニルスは、国内の格闘技大会で連戦連勝を重ね、超人オリンピックのスウェーデン代表の座を掴みます。予選を難なく突破し、シード権を獲得しますが、決勝トーナメントでキン肉万太郎と対戦。当初は「変態超人宇宙一決定戦」と揶揄されましたが、大阪・新世界で老人たちを救い、さらに1000人分のチケットを自腹で購入して老人たちを招待したことで、観客から人気を集めます。

試合では、老獪なジージョマンの戦術と老人たちの声援で万太郎を追い詰めますが、ジージョマンの横暴さに気付いた観客の指摘により、バリアフリー社会建設を目指すニルスとギャル目当てで戦うジージョマンの間に溝が生まれます。ジージョマンは内情を暴露し、観客からの声援を失い、怒った万太郎の攻撃を受けてニルスの身体から脱出を試みます。最後はニルスが自ら攻撃を受け敗れますが、自分を取り戻したことに充実感を感じました。ジージョマンは棲む所を失いますが、ニルスは彼を再び右腕に迎え入れ、共に歩むことを決意します。

アイドル超人軍としての活躍

悪魔の種子編では、万太郎の危機を知り、スカーフェイスをリーダーとするアイドル超人軍を結成。ジェネラル・パラストのゲートバリヤーを突破し、デーモンシードに苦戦する万太郎を救出。五稜郭にてザ・タトゥーマンと対戦し、引き分けに持ち込みます。ニルスは正義超人として成長し、ジージョマンも自身の生き方を悔い改めるために戦い、見事な連携を見せました。その後、悪魔の胎内で正義超人の骸の一部になりますが、リボーンダイアモンドによって復活します。

究極の超人タッグ編

時間超人によって肉体消滅の危機に瀕したケビンマスクを救うため、「タイムワープの8超人」に志願して20世紀へタイムワープします。本シリーズでは、ニルスのボディの出番は少なく、ジージョマンとしての活躍が中心でした。時間超人への妨害は成功したかに見えましたが、トラブルによりケビンマスクの消滅を阻止できませんでした。その後、新世代超人が時間超人と共に悪行超人として疑われ、タッグトーナメントが再び開催されることに。バリアフリーマンはイリューヒンと「火の玉・飛爺隊」を結成して出場します。

「間引きバトルロイヤル」では、ザ・マシンガンズを救うために時間超人と戦いますが苦戦。その後、万太郎とコンビを組んだ3代目キン肉マングレート（カオス）に希望を見出し、彼を救うためにヘル・イクスパンションズの攻撃を受け、ジージョマンの顔を剥がされます。その後、霊体として時間超人の攻撃に苦しむジェロニモを救い、アパッチの断末魔と共にサンダーの鐘を粉砕。ヘルズベアーズ対ヘル・イクスパンションズの試合では、セイウチンを説得し正義超人に戻すことに成功します。

主要対戦成績

シングルマッチ
×キン肉万太郎（マッスル・ミレニアム）
△ザ・タトゥーマン（両者KO）
タッグマッチ
究極の超人タッグ・間引きバトルロイヤル敗退

得意技

楢山バック・ブリーカー（ナラヤマバック・ブリーカー）
ジージョマンが「楢山まいり」をモチーフに編み出した技。相手の両足を肋骨で捕らえ、背中を頭に乗せて極めるバックブリーカー。ニルス状態では、かかりが浅くなる。
ライオン・マウス
ジージョマン状態での肋骨の上下の隙間を大きく広げる能力。
クローズ・オンズ・リブ
ジージョマン状態での「ライオン・マウス」で肋骨で相手を挟み込む技。楢山バック・ブリーカーへの布石。
鶴は千年亀は万年パンチ（つるはせんねんかめはまんねんパンチ）
ジージョマン状態での掌底。急所を的確に捉え、ダメージを与える。自身のイボ痔を相手のへそに差し込むことも。
賽の河原ラリアット（さいのかわらラリアット）
ジージョマン状態でのたるんだ腕の皮を伸ばして繰り出すラリアット。
南無阿弥陀・仏壇返し（なむあみだ・ブツダンがえし）
マウントポジションからの反り投げ。

タッグ技

煩悩払い吊り鐘
相手を空中でメキシカン・カンパーナで捕らえ、顔面同士をぶつける技。
TOKKO・ATTACK（トッコー・アタック）
イリューヒンを投げ、同時にイリューヒンが変形し、体当たりする技。「ファイナルTOKKO・ATTACK」は万太郎を救う際に使用。

プロフィール

分類 - アイドル超人
出身地 - スウェーデン
身長体重 - 183cm 78kg
超人強度 - 42万パワー
口調 - ホエホエ〜
備考 - 痔持ち、入れ歯（どちらもジージョマン）

異名

全老人の希望の星
戦慄のエロ核弾頭
究極の癒し系超人
無類の助平おやじ

主な肩書き

アイドル超人軍
タイムワープの8超人

コンピュータゲーム

ゲームでの初登場は『キン肉マンマッスルグランプリMAX』。ジージョマン形態がメインで、ニルスは一部の技でのみ登場。ゆでたまごは、ゲームに登場していない超人で動かしたら面白そうなキャラとしてバリアフリーマンを挙げましたが、開発スタッフは変形する体のモーションを作るのが困難だったと語っています。

脚注

[注釈]

[出典]

[参考文献]

TEAM MUSCLE 編『キン肉マンII世超人大全』集英社〈〈スーパー・プレイボーイ・コミックス〉〉、2002年7月24日。ISBN 978-4-08-857396-0。
TEAM MUSCLE 編『キン肉マン超人大全集』集英社、2004年7月31日。ISBN 978-4-7976-1003-1。

関連項目

キン肉マンII世
キン肉マンII世の登場人物
イリューヒン

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