バンカー・ヒル (空母)

バンカー・ヒル (USS Bunker Hill, CV/CVA/CVS-17, AVT-9)

バンカー・ヒルは、アメリカ海軍に所属するエセックス級航空母艦であり、第二次世界大戦の太平洋戦域において重要な役割を果たしました。艦名は、アメリカ独立戦争時のバンカー・ヒルの戦いに由来し、同艦はその名を冠した最初の船となりました。

就役と初期の任務

1941年9月15日、バンカー・ヒルはマサチューセッツ州クインシーのベスレヘム・スチール社で起工され、1942年12月には進水、1943年5月24日には初代艦長J・J・バレンタイン大佐の指揮で正式に就役しました。1943年から1945年にかけて、同艦はマリアナ沖海戦、レイテ沖海戦、沖縄戦などの主要戦闘作戦に参加し、その活躍から「ホリデー・エクスプレス」の愛称も持ちました。

戦争での活躍

バンカー・ヒルは、1943年10月19日、真珠湾を出港し、モントゴメリー少将の指揮下でラバウル空襲を行います。この空襲では、VF-17とVF-18の艦載機が連携し、敵艦隊を攻撃しました。続いて行われたギルバート作戦では、タラワ環礁を攻略するため航空支援を行い、その後もカビエン空襲などを実施しました。

1944年には、マーシャル諸島の攻略を控え、バンカー・ヒルは重要な任務を次々に遂行しました。特に、1945年に行われた日本本土空襲では、重要な軍需施設を攻撃したことが記録されています。また、沖縄戦では、特攻攻撃に対抗しつつ、多くの艦上機による支援を実施しました。

特攻による大破

1945年5月11日、バンカー・ヒルは日本海軍の特攻攻撃を受けます。2機の零戦が艦に突入し、大破に至る火災と爆発が発生しました。この事件により、402名が戦死し264名が負傷するという多大な人的損失を被りました。特攻隊の攻撃は、艦の飛行甲板に並ぶ艦載機に大きな被害を与え、艦内の管理体制にも混乱をもたらしました。

艦長および艦隊指揮官は、快速対応によるダメージコントロールを実施し、沈没を免れましたが、深刻な損傷を受けたため、修理のためアメリカ本土に帰還しました。

戦後の活動

艦の修理作業が完了した後、バンカー・ヒルは復員兵の輸送任務に従事しましたが、1947年以降は予備役として保管されました。その後、艦は形式的に艦種変更を行なったものの、実際には現役復帰の機会も与えられず、1966年に除籍されました。解体後には、その一部が日本に引き取られ、一部は兵器や建設材として再利用されたとされています。

バンカー・ヒルは、アメリカ海軍の重要な戦艦の一つとして、多くの戦功と数々の歴史を刻みました。その歴史は、戦争の厳しさと人間の勇気の象徴として、今もなお語り継がれています。

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