バンビ (プロレスラー)

バンビ

岩手県久慈市に生まれ、東京都で育った日本の女子プロレスラー。本名は非公表だが、イラストレーターとしては「佑天寺うらん」名義でも活動している。身長170cm、体重は時期によって変動があるが、100kgを超えることもある。

かつてDDTプロレスリングで活動していた際は「「昭和」子」を名乗り、体操服とブルマー姿で異彩を放った。その後KAIENTAI DOJOに移籍し、リングネームをバンビに改め再デビュー。所属団体が2AWとなった時代には、男性レスラーをも圧倒する「女王様」キャラクターとして、数少ない女性選手の中で確固たる存在感を放った。

来歴

プロレスラーとしてのキャリアは、JWP女子プロレスの練習生としてスタートした。しかし、対人恐怖症が原因で自主退団を選択。後にその団体名を自身のSNSで明かしている。その後、DDTの練習生となり、新たな道を歩み始めた。

2001年10月30日、覆面レスラー「「昭和」子」としてマネージャーデビュー。翌2002年7月頃からは練習生ながら試合に出場するようになり、8月頃には体操シャツ・ブルマー・ルーズソックスという特徴的なコスチュームが確立される。

2004年1月12日、後楽園ホール大会でのスーパー宇宙パワー戦で正式なデビューを飾った。キャッチコピーは「ブルマを履いた妖精」。同年10月27日には蛇光教団に拉致されるというアングルを経て、「「戦闘員」子」としてファイトスタイルを変容。コスチュームは全身タイツとなり、キャッチコピーも「狂乱のメンヘル戦士」へと変化した。

2005年1月、自身の進むべき道を模索するためDDTを退団。その後、KAIENTAI DOJOの練習生として再出発した。同年5月21日、千葉・Blue Fieldにて、お船、中川ともか組を相手に、アップルみゆきをパートナーに迎え再デビュー。吉田万里子のアドバイスを受け、素顔でリングに上がり、リングネームをバンビとした。

2006年3月の興行「息吹」からは、白いワンピース水着姿でファイトするようになり、「ワンピ姫」とも呼ばれた。同年12月には旭志織、大石真翔らと共にヒールユニットΩ（オメガ）を結成しヒールターン。黒い長髪、ヒールメイク、ボンデージ風の衣装といった「女王様」スタイルへと変貌を遂げた。

2007年は怪我により長期欠場。後に家庭の事情も重なり欠場が続いたことが週刊プロレスで報じられた。2008年3月8日に突如会場に姿を見せ、4月13日の後楽園ホール大会で本格的に復帰を果たした。復帰後はナチュラルメイクとなり、ファンからの「女王様」コールが定着。同年には結婚（2011年に離婚）と第一子出産も公表している。

2009年には得意のムチ攻撃を武器に、ザ・グレート・サスケを手下にするなど活躍。8月23日、古巣DDT初の両国国技館大会では、高木三四郎の公認凶器「ムチwithバンビ」として登場し、話題を呼んだ。

2011年、大畠美咲率いるユニット「ブラック・ダリア」に加入。山縣優の退団によりK-DOJOにおける紅一点の存在となる。8月7日にはブラック・ダリアの一員としてJWPに初参戦した。

2012年には所属するK-DOJOとREINAの提携によりREINAにレギュラー参戦。頑固プロレスにも「頑固反逆同盟」として参戦するなど、活動の場を広げた。2013年にはWNCで真琴率いる「私立・プロレス学園」に加入している。

2014年にはダイエットに取り組みスリムになったが、成果を期限内に示せず火野裕士との罰ゲームシングルマッチを行った。2015年からは自身がプロデュースする「音楽とプロレスの融合」をテーマとした「神姫楽（かぐら）プロジェクト」を始動させた。

2016年3月17日の「タカタイチ興行復活祭」ではミックスマッチに出場し、男子選手で唯一バンビと対戦経験のある小川良成とリング上で交わった。

2020年10月31日、所属していた2AWを退団しフリーランスとなる。「佑天寺うらん」名義での活動継続が困難になったことが退団理由の一つとされている。フリー転向後も精力的に活動を続けている。

2021年秋には体重が100キロ台に乗り、翌2022年には膝の負傷によりダイエットを再開し、再び100kgを下回った。

人物

プロレスラーとしてのキャリアと並行して、20代前半には風俗勤務経験があり、主にイメージクラブで働いていたことを明かしている。同時期に漫画家やイラストレーターとしての活動も開始し、そちらが多忙になったことで風俗からは離れた。漫画家としては複数の雑誌に掲載経験があり、集英社『セブンティーン』にイラストを提供したこともある。影響を受けた漫画家として岡崎京子、南Q太、やまだないと、魚喃キリコらを挙げているが、絵は完全に独学である。

プロレスデビューのきっかけは、過去の練習生経験を知った高木三四郎に試合観戦を誘われたこと。「「昭和」子」時代に覆面を着用していたのは、人前で顔を見られるのが苦手だったためとされる。

得意技

パワーとキャラクターを活かした多様な技を駆使する。

ジャーマンスープレックス: 特に投げっぱなし式を得意とし、自身の体重を利用して豪快に相手を投げ捨てる。
ラリアット: 体重を乗せた強烈な一撃で相手をなぎ倒す。
喉輪落とし: 長身を活かし、相手を吊り上げてマットに叩きつける垂直落下式の技。
お股: 座り込んだ相手に対し、股間を開いた状態でのアタックから入り、そのまま丸め込みを狙う独特の技。
ピーチアタック: ヒップアタック。
三途の川: 複数人まとめて行うボディプレス。
ダイビングセントーン: DDT時代の初勝利を決めた技。「昭和」子時代の2004年8月1日に初披露された。
ムーンサルトプレス: 低空で、ほとんど飛ばずに後方回転する独特のフォームが特徴。
シャイニング・ウィザード: 近年多用される主要必殺技の一つで、スタンディング式や背後からの仕掛けも見られる。
ハリケーン・ラナ
シャッターチャンス: ハイキック。

タイトル歴

TLW世界女子ヤングタッグ王座（パートナー：羽沙羅）
千葉6人タッグ王座（パートナー：火野裕士、リッキー・フジ）
WEWハードコアタッグ王座（パートナー：真琴）
北上女子王座
海女王

神姫楽プロジェクト

2015年にバンビ自身がプロデュースした「音楽とプロレスの融合」をテーマとしたプロジェクト。女子プロレスラーと女性シンガーソングライターが中心メンバーとなり、レフェリーやリングアナウンサーも女性限定で構成された。女子練習生の募集も行われた。

2015年1月3日に設立が発表され、プレイベントを経て同年5月14日に新宿FACEで旗揚げ公演を行った。当初はバンビが代表を務めたが、6月からはKAIENTAI DOJO代表のTAKAみちのくが兼任する体制となった。2019年4月1日に活動休止を発表し、同年6月20日をもって解散した。

主な参加プロレスラーはバンビ、日向小陽、加藤悠、早川メアリー、デボラＫら。

メディア出演

テレビではGAORAの「プロレスKING」に出演経験がある。写真集「Stylish」も発売されており、撮影は加納典譲、DVD付。

関連人物

* 真琴：同じく対人恐怖症の経験を持つ女子プロレスラー。バンビに影響を受け、ワンピース水着型のコスチュームを採用した時期がある。

フリー転向後も、唯一無二のキャラクターと多彩な活動で注目を集める、プロレス界における異色の存在である。

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