バーミヤーン

バーミヤーンの概要

バーミヤーン（ダリー語: باميان）はアフガニスタンの中央部に位置する州都で、カーブルの北西約240キロメートルの距離にあります。この町は73,200人が住む最大のハザーラ人地域であり、その文化は多様性に富んでいます。バーミヤーンはユネスコの世界遺産にも登録されているバーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群が有名であり、多くの観光客を惹きつけています。

地理

バーミヤーンは歴史的な交易路であるシルクロード上に位置し、東洋と中東の交通の要所として栄えてきました。特色ある渓谷の美しい風景や古代の遺跡は、この地域の大きな魅力となっています。また、冬季にはスキーツアーが行われ、アフガニスタン初のスキー選手たちがここで育成されるなど、観光資源としても注目を集めています。

町の中心にはバザールがあり、住民は主に標高2800メートルの渓谷に生活しています。この地域はヒンドゥークシュ山脈とコヒ・ババ山脈に囲まれた盆地で、運送インフラこそ未発達なものの、バーミヤーン空港が存在し、少しずつ交通機関が増えている状況です。

主な作物にはコムギ、オオムギ、マメ類、そして牧草があり、厳しい気候下での農業活動は挑戦を伴います。不作が特に厳しい年には、住民は家畜を他地域に運んで食料と交換することが一般的です。

気候

バーミヤーンの気候はケッペンの分類でステップ気候（BSk）または砂漠気候（BWk）に属します。厳しい冬が半年続くため、移動や農業において困難な状況が生じることもあります。

歴史

古代・中世

バーミヤーンの歴史は古代から始まり、その重要性は1219年のモンゴル帝国の攻撃によって破壊されたことで一つの区切りを迎えました。この事件は地域にとって大きな打撃でしたが、その後もバーミヤーンは人々の生活の拠点として再生してきました。

近世・近現代

1990年代後半にはターリバーンとハザーラ人主体のシーア派勢力との衝突が激化し、バーミヤーンは戦闘の最前線となりました。1998年にはターリバーンの攻勢により町は陥落、その後2001年に同地域の文化的象徴である二体の大仏が破壊され、大きな国際的非難を浴びました。しかし、その後のアメリカのアフガニスタン侵攻によって、11月にはイスラム統一党がこの地域を再度奪還しました。

バーミヤーンは2015年に南アジア地域協力連合によって文化首都に選ばれるなど、文化的な重要性が再認識されています。この歴史と文化が交差する地域は、今日でも多くの人々にとって魅力的な場所であり続けています。

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