パーカーホ

パーカーホ（Giant Barb）の詳細

パーカーホ（学名：Catlocarpio siamensis）は、コイ亜科に属する大型の淡水魚で、コイ目の中で最大種です。単型の Catlocarpio 属に分類され、「魚の王」とも称されます。カンボジアでは国魚に指定されており、その存在は特別なものとされています。

分布

パーカーホは、東南アジアのメコン川、メークローン川、チャオプラヤー川といった水系に生息しています。具体的には、タイ、カンボジア、ラオス、ベトナムといった国々で見られます。

形態

この魚は、頭部が大きく、触鬚（ひげ）がないのが特徴です。背鰭には棘がなく、淡水魚としては最大級の大きさを誇ります。コイ科の中でも最大の種であり、最大で全長3メートル、体重300キログラムに達する個体も確認されています。しかし、乱獲や環境破壊の影響で、現在では100キログラムを超える個体は非常に稀になっています。一般的に、メスの方がオスよりも大きくなる傾向があります。

パーカーホは、植物食性の魚類としても、メコンオオナマズと並び世界最大とされています。過去には、南アジアに分布するカトラ（Catla catla）と形態が酷似していたため、同一種と誤認されていた時期もありました。しかし、染色体数の研究や大規模な系統解析の結果、パーカーホとカトラは異なる種であることが明らかになりました。

生態

パーカーホは回遊魚であり、餌場や繁殖場所を求めて季節ごとに移動します。成魚は普段、大きな河川の深い淵に生息していますが、雨季になると運河、氾濫原、浸水林へと移動します。10月頃には、メコン川下流に若い個体群が現れることが観察されています。普段はオスとメスがペアで行動することが多く、幼魚は小さな支流や湿地帯でよく見られます。池や運河に閉じ込められた場合でも、その環境に適応することができます。

繁殖可能な成魚になるまでには、約7年もの歳月を要することが、個体数の回復が遅れている一因となっています。食性は植物食性で、藻類、プランクトン、浸水林の果実、デトリタス（有機物の砕屑物）、小さな魚などを食べます。

保全状況

パーカーホは、現地では食用として珍重されており、そのために捕獲圧が高まっています。また、生息環境の破壊も深刻な問題となっています。近年では、成魚になるまで生存できる個体は非常に少なくなっており、メコン川委員会によると、2000年には記録された漁獲数が10尾まで減少しています。

その他の情報

パーカーホは、その独特の生態と巨大な体躯から、研究対象としても注目されています。
水産養殖の対象としての研究も進められています。
生態系の保全という観点からも、この貴重な魚を保護するための継続的な努力が不可欠です。

関連項目

魚の一覧

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