ヒバナ (雑誌)

短命に終わった漫画誌『ヒバナ』：その歴史と作品群

2015年3月6日、小学館より創刊された月刊漫画雑誌『ヒバナ』。『ビッグコミックスピリッツ』の増刊という形で誕生しました。同誌は、前年に休刊となった『月刊IKKI』からの移籍作品を多数掲載しており、いわば『月刊IKKI』の後継誌的な役割を担っていたと言えるでしょう。しかしながら、わずか2年5ヶ月という短い期間で、2017年9月10日発売号をもって刊行を終了しました。

『ヒバナ』の特徴は、個性豊かな作品群が掲載されていた点にあります。多くの作品が、他の雑誌に移籍するなどして、その後も活躍を続けています。特に、『ドロヘドロ』『ふたがしら』『ロッタレイン』『スラップスティック』の4作品は、『月刊IKKI』からの移籍組として、初期の『ヒバナ』を支えました。

一方で、『Sunny』『ネッコロ』の2作品は、『月刊!スピリッツ』へ移籍しています。これらの作品を巡る状況の変化は、『ヒバナ』の短命な歴史を象徴していると言えるかもしれません。

『ヒバナ』に掲載された作品は多岐に渡り、個性的な作風が特徴の作品が多数存在します。例えば、異世界ファンタジー、時代劇、日常系、ホラーなど、様々なジャンルが混在していました。以下に、代表的な作品をいくつか挙げ、その後の動向についても触れていきます。

主な連載作品とその後

『ドロヘドロ』 (林田球): 『ヒバナ』終了後、『ゲッサン』に移籍。その後、テレビアニメ化もされました。
『ふたがしら』 (オノ・ナツメ): 『ヒバナ』終了後も連載が継続されています。
『ロッタレイン』 (松本剛): 『ヒバナ』終了後も連載が継続されています。
『スラップスティック』 (青野春秋): 『ヒバナ』終了後、『マンガワン』に移籍しました。
『あかねのハネ』 (磯谷友紀): 『マンガワン』に移籍しました。
『アイゼンフリューゲル 弾丸の歌よ龍に届いているか』 (虚淵玄/七竈アンノ): 『マンガワン』に移籍しました。
『或るアホウの一生』 (トウテムポール): 『マンガワン』に移籍しました。
『しまなみ誰そ彼』 (鎌谷悠希): 『マンガワン』に移籍しました。
『ベルサイユオブザデッド』 (スエカネクミコ): 『マンガワン』に移籍しました。
『雪花の虎』 (東村アキコ): 『ビッグコミックスピリッツ』に移籍しました。
* 『あちらこちらぼくら』 (たなと): 『ヒバナ』で連載された後、他の媒体で活躍を続けています。

その他にも、『アフターアワーズ』(西尾雄太)、『ありごけ』(漆原ミチ)、『あんたさぁ、』(ルネッサンス吉田)、『いかづち遠く海が鳴る』(野田彩子)、『キュラシア・ブラッド・ブラザーズ』(松田未来)、『きょうのあにいもうと』(五十嵐大介)、『最近の赤さん』(とよ田みのる)、『さよなら ハヰドランジア』(加藤望)、『椎名祐は泣いてる女にしか欲情しない』(田中ててて)、『人狼執事の物騒な日課』(村岡恵)、『センコウガール』(永井三郎)、『潜熱』(野田彩子)、『椿と罪ほろぼしのドア』(長田亜弓)、『翼くんはあかぬけたいのに』(小花オト)、『ドルメンX』(高木ユーナ)、『なくてもよくて絶え間なくひかる』(宮崎夏次系)、『ふぇすちばる!』(井田克一/吉田恵里香)、『Blue Rose Age』(ANTENNA牛魚)、『弁天ぼたん』(再田ニカ)、『ほぐされ紳士、揉井さん』(渦井、マッサージ監修/崇志)、『三十路飯』(伊藤静)、『妖怪ウォッチコマさん』シリーズ(柴本翔、原作・監修/レベルファイブ)、『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』(荒井ママレ/渡辺俊美)、『ロボッとうさん』(有永イネ)、『ロマンスの騎士』(武富智)、『ロメオがライバル』(秀良子)など、多様な作品が掲載されていました。

短い期間での休刊という結果に終わりましたが、『ヒバナ』で連載された作品群は、それぞれの場所で読者を楽しませ続けています。その影響力は、雑誌の寿命を超えて長く残り続けるでしょう。

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