ビブリス科

ビブリス科について

ビブリス科（Byblidaceae）は、双子葉植物の仲間であり食虫植物として知られる植物の一群です。この科は主にオーストラリアなどの湿地に自生しており、特異な捕虫機能を持つことで注目されています。特にビブリス属（Byblis）とロリドゥラ属（Roridula）の2つの属を含んでいますが、植物分類体系によってその位置付けが異なります。

分類体系における位置

クロンキスト体系では、ビブリス科はビブリス属とロリドゥラ属を含むとされていました。しかし、新エングラー体系やAPG植物分類体系では、ビブリス属のみがこの科に分類され、ロリドゥラ属はロリドゥラ科（Roridulaceae）という別の単型科に移されることとなりました。このように、ビブリス科の分類は一貫性がなく、時代によって異なる理解がされてきたことがわかります。

ビブリス属の特徴

ビブリス属に属する植物は、おもにオーストラリア西部や北部、さらにニューギニア島の南部に自生しています。この属には3から6種の草本が含まれます。これらの植物は、細長い葉を持ち、この表面に密生する毛からは粘液が分泌され、昆虫を捕える機構を持っています。そのため、見た目はロリドゥラ属やモウセンゴケ科のナガバノイシモチソウに似た特性があります。

ビブリスの花は紅色または白色の両性で、放射相称の五数性花であり、茎の先に単生して咲きます。果実は蒴果で、成熟すると2つに割れる特徴があります。

かつては、このビブリス属が半食虫植物として知られ、粘着した害虫を養分として吸収すると考えられていました。しかし、2005年に消化酵素を分泌することが判明し、モウセンゴケ科の植物と同じく真正の食虫植物とされるようになりました。一方、ロリドゥラ属に関しては独特なカメムシとの共生関係が明らかにされています。

生態と絶滅危惧

ビブリス植物は美しい花を持つため、よく栽培されていますが、野生の個体数は減少しており、絶滅が懸念されています。そのため、保護活動や栽培が重要な課題となっています。

系統の変遷

ビブリス科の系統分類は、これまでの研究において一定していませんでした。古くはモウセンゴケ科と親戚であると考えられていたこともあります。また、ロリドゥラ科とともにバラ目に位置づけられていましたが、APG植物分類体系ではロリドゥラ科を別扱いにしてシソ目に分類されています。このように、ビブリス科はその系統の理解が絶えず進化していることを示しています。

参考文献

ビブリス科に関する詳細をさらに知りたい方は、以下の文献を参考にしてください:

• - Watson, L., and Dallwitz, M.J. (1992 onwards). The families of flowering plants: descriptions, illustrations, identification, and information retrieval. Version: 1st June 2007. Link
• - Hartmeyer, Irmgard und Siegfried. (2005). Byblis filifolia als echte Karnivore rehabilitiert, Das Taublatt (GFP), 53, 4-5.

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