ファミ通ブロス

『ファミ通ブロス』とは

『ファミ通ブロス』は、かつてエンターブレイン（旧アスキー）から発行されていた月刊漫画雑誌です。本稿では、その前身であるゲーム雑誌『月刊ファミコン通信 攻略スペシャル』と『月刊ファミ通Bros.』についても触れ、その変遷を辿ります。

概要

『ファミ通ブロス』は、以下の3つの時代に大別できます。

1. 攻略スペシャル時代 (1993年8月号 - 1995年7月号)：ゲーム攻略に特化した増刊として誕生した時期です。
2. 月刊ファミ通Bros.時代 (1995年8月号 - 1997年12月号)：『ファミ通』から独立し、独自の路線を模索した時期です。
3. ファミ通ブロス時代 (1998年1月号 - 2002年9月号)：漫画雑誌へと大きく転換し、メディアミックスを展開した時期です。

各時代の詳細

攻略スペシャル時代

『ファミコン通信』（現『ファミ通』）が週刊化し、扱うゲーム情報が多岐にわたるようになったことを受け、1993年6月に『別冊ファミコン通信 攻略スペシャル』として創刊されました。これは、攻略記事に特化した増刊号としての位置づけでした。その後、11月には『月刊ファミコン通信 攻略スペシャル』として月刊化し、低年齢層にも分かりやすい誌面構成を採用することで、本誌との差別化を図りました。読者コーナーも独自に設けられ、読者との交流も活発に行われました。

月刊ファミ通Bros.時代

1995年8月号からは、『ファミ通』から独立し、『月刊ファミ通Bros.』として新たにスタートしました。「『ファミ通』の兄弟誌」という位置づけで、独自の攻略本を発行したり、オリジナルのトレーディングカードを展開するなど、積極的なメディアミックス戦略を採りました。この時期には、『ファミ通』本誌からの独立性がより強まりました。

ファミ通ブロス時代

1998年1月号で、誌面は大幅にリニューアルされました。それまでの攻略記事中心の内容から、小・中学生向けの漫画雑誌へと大きく舵を切りました。ゲームを原作とした漫画作品を多数連載する一方で、オリジナル作品やライトノベルを原作とした自社主導のメディアミックスも展開しました。特に、「ジバクくん」と「時空探偵ゲンシクン」はテレビアニメ化もされ、注目を集めました。しかし、競合誌である『月刊コロコロコミック』などの壁は厚く、2002年9月号をもって休刊となりました。

なお、『ファミ通ブロス』編集部は、本誌の休刊後も2010年3月まで存続し、ブロスコミックスEXレーベルのアンソロジーコミックの編集を担当していました。

主な連載作品

本誌オリジナル

アーケードゲーマーふぶき（吉崎観音）
Colors（啄木鳥しんき）
時空探偵ゲンシクン（原作：園田英樹、作画：小倉あん子）
ジバクくん（柴田亜美）
ショックサイエンス（あすかあきお）
超鉄大帝テスラ（原作：大塚英志、作画：大野安之）
はたらくねこ（渡辺電機(株)）
不死身探偵オルロック（G＝ヒコロウ）
プロフェッサーシャーボ（G＝ヒコロウ）
摩訶娘々（こやま基夫）
魔女医（KO-TA）
楪の刻（大貫健一）
ワイルドキングダム（真鍋譲治）
缶入りはるまげ丼（木下ともたけ）
まかせるか！プーリン(あべかよこ)

メディアミックス

スーパーロボット大戦α さいこどらいばぁず（こいでたく、原作：バンプレスト）
聖剣伝説レジェンドオブマナ（天野シロ、原作：スクウェア）
パラサイト・イヴ（天野シロ、原作：スクウェア）
テイルズ オブ デスティニー 神の眼をめぐる野望（啄木鳥しんき、原作：ナムコ）
ファイアーエムブレム トラキア776（日野慎之助、原作：任天堂/インテリジェントシステムズ）
ブレイヴフェンサー ムサシ伝（大貫健一、原作：スクウェア）
ポケモンカードになったワケ（姫野かげまる） - ポケモンカードを原案に制作
ホルス・マスター（原作：嬉野秋彦、作画：此路あゆみ）
火星物語 五月の花嫁（原作：広井王子、作画：むつきつとむ）
マクドナルド探偵団（原作：大沼弘幸、作画：古澤純也、監修：日本マクドナルド）
ダビスタブリーダーズバトル ダービースタリオン外伝（原作：亀谷敬正、作画：越智善彦）
マリーとエリーのアトリエ ザールブルグの錬金術士（越智善彦）
新・女神転生CG戦記 ダンテの門(原作：牧野修、作画：亜熱夏央)
トンバ ザ ワイルドアドベンチャー(一式まさと)
アニムンサクシス 聖暦0795黒狼伝(原案：霧岳朔夜、漫画：かぢばあたる)

再録連載

ゲッターロボ（永井豪・石川賢） - フルカラー化

ブロスコミックス

本誌の連載作品は、主にブロスコミックス（BROS. COMICS）として刊行されました。判型はB6判です。発売元はアスキーでしたが、2000年にエンターブレインが発足するまでは、コミックスやゲーム攻略本はアスペクトから発売されていました。また、派生レーベルとしてA5判のブロスコミックスEXが存在し、こちらは主にゲームを原作としたアンソロジーコミックや4コマ漫画が展開されていました。ブロスコミックスの編集体制は、『ファミ通コミッククリア』やファミ通クリアコミックスに継承されています。

関連項目

千葉麗子 - 攻略スペシャル時代に読者コーナーを担当
ファミ通コミッククリア
コミックビーム

外部リンク

* BROS. COMICS EX - ウェイバックマシン

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