ファロス (競走馬)

ファロス：輝ける血統と偉大な子孫

ファロスは、1920年代前半にイギリスで活躍した競走馬にして、その後のサラブレッド界に多大な影響を与えた種牡馬です。その名は、アレクサンドリアの大灯台があったファロス島に由来しています。

華々しい競走馬時代

30戦14勝という輝かしい戦績を残しました。ダービーステークスでは惜しくも2着に終わりましたが、チャンピオンステークスを含む数々の重賞競走を制覇。その実力は折り紙付きでした。

種牡馬としての成功と栄光

引退後はイギリスで種牡馬となり、その能力の高さを証明します。全弟であるフェアウェイが種牡馬として高い評価を得ていたため、ファロスはフランスへ輸出されましたが、そこでファロスの真価が問われることになります。

イギリス、フランスを始めとする4ヶ国でダービー優勝馬を輩出するなど、種牡馬としても成功を収めました。特に、ネアルコ、ファリス、カメロニアン、フィデアスといった一流馬は、ファロスの血統の偉大さを示す象徴的な存在といえます。

ネアルコは、デルビーイタリアーノ、ミラノ大賞典、パリ大賞典を制覇した名馬で、後に3度の英リーディングサイアーにも輝きました。ファリスもジョッケクルブ賞、パリ大賞典を制し、4度の仏リーディングサイアーに上り詰めています。カメロニアンはダービーステークスを制し、フィデアスはアイリッシュダービーを制しました。これらの活躍は、ファロスの遺伝子の素晴らしさを物語っています。

1931年にはイギリスチャンピオンサイアーに選出され、1939年にはフランスでもリーディングサイアーの座に就きました。種牡馬としての成功は、競走馬としての活躍をはるかに凌駕するものでした。

全弟フェアウェイとの比較

全弟のフェアウェイは、セントレジャーステークス優勝馬であり、4度のイギリスリーディングサイアーに輝いた名種牡馬でした。競走成績、種牡馬成績の面ではフェアウェイが上回っていたとされています。しかし、ファロスが産駒を通じてサラブレッド界に与えた影響は、フェアウェイをはるかに超えるものだったと言えるでしょう。ネアルコとファリスという、後世に計り知れないほどの影響を与えた2頭の血統を受け継ぐ存在であることが、その理由です。

主な産駒

ファロスは、数多くの優れた競走馬を輩出しました。主な産駒には、以下の馬が挙げられます。

カメロニアン (1931年2000ギニー、ダービーステークス、1932年チャンピオンステークス)
エルグレコ (1937年セントレジャーイタリアーノ、Ribotの母の父)
ファストネット (Fast Fox（1952年サンクルー大賞典）の父)
フィルドウシ (1931年デュハーストステークス、1932年セントレジャーステークス)
マリーテューダー (1934年プール・デッセ・デ・プーリッシュ、ヴェルメイユ賞)
ネアルコ (1938年デルビーイタリアーノ、ミラノ大賞典、パリ大賞典、英リーディングサイアー3回)
ファリス (1939年ジョッケクルブ賞、パリ大賞典、仏リーディングサイアー4回)
フィデアス (1937年アイリッシュ2000ギニー、アイリッシュダービー)
ローズスカラー (1936年セントジェームズパレスステークス、エクリプスステークス)
ザナイル (1935年プール・デッセ・デ・プーリッシュ)

これらの産駒は、世界各地の競馬界に大きな足跡を残し、現在もその血統は脈々と受け継がれています。ファロスは、競走馬としてはもちろん、種牡馬としても、サラブレッドの歴史にその名を刻んだ偉大な存在なのです。

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