ファング鈴木

ファング鈴木

ファング鈴木（本名：鈴木知子）は、1968年4月17日生まれ、静岡県浜松市出身の元女子プロレスラーです。

ミキハウスの柔道部で基礎を築いた後、プロレスラーへの転身を決意。吉本女子プロレスJd'への入門を選びましたが、そこには先に足を踏み入れていた藪下めぐみや坂井澄江といったライバル、そして仲間となる選手の存在が大きく影響していたといいます。入門テストの際には、当時29歳であったにもかかわらず、年齢を1歳偽って受験したものの、合格後に正直に訂正したという人間味あふれるエピソードが知られています。

1997年10月22日、プロレスラーとしてのキャリアは東京・後楽園ホールからスタートしました。龍羅選手（後のドレイク森松選手）とタッグを組み、小杉夕子選手、KAZUKI選手組を相手にデビュー戦を行いました。

Jd'所属時代は団体の主力選手として活躍。特にザ・ブラディー選手とのタッグチーム「ザ・シェイド・ブレイカーズ」では、その連携とパワーでTWFタッグ王座を獲得するなど、Jd'マットを盛り上げました。

2004年4月には、当時のJDスターの運営方針に対する意見の相違から、ザ・ブラディー選手らと共に団体を離脱。フリーランスの立場で「チームOK」を結成し、活動の幅を広げました。全日本女子プロレス、JDスター、LLPW、GAEA JAPAN、OZアカデミーといった様々な団体のリングに参戦し、数々の強豪選手と拳を交えることになります。

全日本女子プロレスが主催するタッグリーグやトーナメントにも出場し、ザ・ブラディー選手とのチームで結果を残しました。また、プロレス以外の分野にも挑戦し、2004年8月29日には総合格闘技大会「Love Impact」に参戦。サンボの世界王者である武田美智子選手と対戦し、引き分けという貴重な経験を積んでいます。

2005年も各団体への参戦を精力的に行い、多くの試合をこなしました。かつてタッグを組んだり、同じ団体で汗を流した選手はもちろん、ジャガー横田選手、デビル雅美選手、ライオネス飛鳥選手、長与千種選手、神取忍選手といったレジェンドクラスの選手とも対戦し、自身のキャリアに深みを加えました。この年には、ザ・ブラディー選手とのタッグで再びTWF世界タッグ王座を獲得しています。

そして、2005年12月31日、ファング鈴木選手はザ・ブラディー選手と共に現役生活にピリオドを打ちました。引退試合は、尾崎魔弓選手、ダイナマイト・関西選手組を相手に、LSDルールで行われました。

引退後もプロレス界との関わりは続いています。2006年にはOzアカデミーの大会に登場。2016年以降は、Jd'の生誕周年記念や同窓会といったOGが集まるイベントに積極的に参加。特に、2016年10月1日には、自身の地元である浜松市で「Jd’生誕２０周年記念ツアー～ジャガー横田４０周年への道ｉｎ浜松」を主催し、自身も試合を行うなど、その活動は多岐にわたります。

近年は、地元浜松での地域貢献活動にも力を入れており、NPO法人「プロレスで浜松を元気にする会」の副理事長として、プロレスを通じて地域を活性化させるための活動に取り組んでいます。

得意技としては、パワフルなFJボム、スーパーボム、ライガーボム、チョークスラム、そしてラリアットなどがありました。獲得したタイトルには、クイーン・オブ・ザ・リング王座、AWF世界女子王座、TWF世界タッグ王座、アイアンマンヘビーメタル級王座などが挙げられます。

リング上での力強いファイトと、地元浜松での地域貢献活動、そしてJd'のOGとして仲間を大切にする姿勢で、多くのファンに親しまれています。

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