ファントム (宝塚歌劇)

宝塚歌劇『ファントム』：魅惑のオペラ座を彩る数々の公演

宝塚歌劇団によるミュージカル作品『ファントム』は、世界的に有名な同名ミュージカルを宝塚歌劇風にアレンジした、人気作品です。2004年の宙組公演を皮切りに、花組、雪組と何度も再演されており、その度に新たな魅力を放ち続けています。

各公演の概要

2004年 宙組公演 (初演): 宝塚大劇場と東京宝塚劇場で公演。中村一徳による演出は、後の再演でも踏襲されています。オリジナル版に加え、2曲のオリジナルナンバーが追加されました。星組の安蘭けい、専科の樹里咲穂と鈴鹿照が特別出演したことも話題となりました。

2006年 花組公演: 桜乃彩音の大劇場トップ娘役お披露目公演として開催されました。初演に引き続き、出雲綾がカルロッタ役を務めました。宝塚大劇場と東京宝塚劇場で公演されました。

2011年 花組公演: 蘭寿とむの大劇場トップお披露目公演として、宝塚大劇場と東京宝塚劇場で上演されました。シャンドン伯爵、アラン・ショレ、セルジョ、若き日のキャリエールといった主要な役柄は、愛音羽麗、朝夏まなと、華形ひかるがそれぞれダブルキャストで演じました。さらに、日本初演から2曲の新曲が追加されました。8月23日には、通算300回公演を達成しました。

2018年 雪組公演: 宝塚大劇場と東京宝塚劇場で公演。シャンドン伯爵とアラン・ショレの役は、彩凪翔と朝美絢がダブルキャストで演じました。

スタッフ

各公演で共通しているのは、脚本がアーサー・コピット、作詞・作曲がモーリー・イェストンである点です。潤色・演出はすべての公演で中村一徳が担当しています。翻訳は青鹿宏二、音楽監督は初演から2011年までは西村耕二が務め、2018年は竹内一宏が担当しました。その他のスタッフは公演ごとに変更があり、振付師、装置、衣装、照明、音響、歌唱指導、特殊メイク担当者などが異なっています。公演プログラムや宝塚歌劇団の公式資料が詳細な情報源となります。

キャスト

各公演で多くのスターが重要な役を演じています。2006年花組公演では、春野寿美礼、真飛聖、桜乃彩音などが主要キャストとして活躍し、2011年花組公演では、蘭寿とむ、壮一帆、蘭乃はななどが舞台を盛り上げました。2018年雪組公演では、望海風斗、彩凪翔、朝美絢といったスターたちが集結しました。詳細な出演者リストは、各年の宝塚歌劇団公式ホームページを参照ください。

作品の魅力

『ファントム』は、美しい音楽と、豪華な舞台装置、そしてスターたちの演技が三位一体となって、観客を魅了する作品です。オペラ座という神秘的な舞台設定、切ないラブストーリー、そして陰影のあるファントムのキャラクターは、多くの観客の心を掴んで離しません。何度も再演されることからも、その人気と高い完成度が伺えます。宝塚歌劇独自の演出とアレンジによって、原作ミュージカルとはまた違った魅力が加えられており、宝塚ファンのみならず、多くの人々にとって忘れられない舞台体験となるでしょう。

参考文献

監修・著作権者：小林公一『宝塚歌劇100年史 虹の橋 渡りつづけて（舞台編）』阪急コミュニケーションズ、2014年4月1日
監修・著作権者：小林公一『宝塚歌劇100年史 虹の橋 渡りつづけて（人物編）』阪急コミュニケーションズ、2014年4月1日
* 宝塚歌劇団公式ホームページ (各公演の公演案内)

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