フィラクシス・ゲームズ

フィラクシス・ゲームズ（Firaxis Games）は、1996年にシド・マイヤー、ジェフ・ブリッグス、ブライアン・レイノルズによって設立された、アメリカ合衆国のコンピュータゲーム開発企業です。本社はメリーランド州ハントバレーに位置し、シミュレーションゲームを中心に開発を行っています。

設立と初期の活動

フィラクシスは、マイクロプローズを離れたシド・マイヤーらが独立して立ち上げた会社です。設立当初は、南北戦争を題材にした『Gettysburg』（1997年）や『Antietam』（1998年）、宇宙移民をテーマにした『Sid Meier's Alpha Centauri』（1999年）などをリリースしました。これらの初期作品は、同社のシミュレーションゲーム開発における高い技術力を示すものでした。

2000年代初頭には、共同設立者の一人であるブライアン・レイノルズが新たなスタジオ「Big Huge Games」を設立するためにフィラクシスを離れました。その後、フィラクシスはゴルフコース設計・経営シミュレーションゲーム『Sid Meier's SimGolf』（2002年）をリリースしています。そして、同社を代表する作品となるシヴィライゼーションシリーズの続編である『Civilization III』（2001年）と『Civilization IV』を開発し、世界的な成功を収めました。

海賊ゲームのリメイクとシヴィライゼーションシリーズの発展

2004年11月には、シド・マイヤーが1987年にリリースした同名作品のリメイク版となる『Sid Meier's Pirates!』をリリースしました。この作品は、Xbox版が2005年7月、PSP版（開発はFull Fat）が2007年1月に発売され、幅広いプラットフォームで楽しむことができました。

特に『Civilization IV』は、2003年末頃から開発が始まり、2005年10月24日に北アメリカ、2005年11月4日にヨーロッパでリリースされました。この作品は、シヴィライゼーションシリーズの新たな方向性を示すもので、多くのファンに支持されました。また、2008年7月には、家庭用ゲーム機向けの『Civilization Revolution』がリリースされ、新たな層にシヴィライゼーションシリーズの魅力を伝えました。

テイクツー・インタラクティブによる買収と組織再編

2005年11月7日、フィラクシスはテイクツー・インタラクティブに買収されることが発表されました。買収金額の詳細は明らかにされていませんが、米国証券取引委員会への報告によれば、資金と株式、開発中の製品に対して2670万ドル、将来の売上予測に対する対価として1130万ドルが支払われました。2006年3月には、PopTop Softwareと合併し、統合されたスタジオをシド・マイヤーが統括することになりました。共同設立者のジェフ・ブリッグスは、2006年4月に会長に就任しましたが、同年11月に退職しています。

また、2007年4月には、ソレン・ジョンソンがエレクトロニック・アーツに移籍し、ウィル・ライトの下で『Spore』の開発に携わることになりました。ジョンソンはフィラクシスでも重要な役割を担っており、『Civilization III』の設計にも関わり、『Civilization IV』では設計主任を務めていました。

2009年9月、スタジオはハントバレーからメリーランド州スパークスに移転しました。

近年の作品と特徴

フィラクシスのゲームは、タイトルに「Sid Meier's」が付くことが多くあります。これは、シド・マイヤーがゲームの発案や設計、プログラミングに深く関わっていることを示しています。また、ゲーム業界で著名なシド・マイヤーの名前を冠することで、ゲームの販売促進にもつながるという側面もあります。

主な作品としては、『Sid Meier's Railroads!』（2006年）、『Sid Meier's Civilization Revolution』（2008年）、『Sid Meier's Civilization IV: Colonization』（2008年）などが挙げられます。近年では、『XCOM: Enemy Unknown』（2012年）や『XCOM 2』（2016年）といった、ターン制ストラテジーゲームも開発し、高い評価を得ています。

フィラクシス・ゲームズは、長年にわたり数々の名作を世に送り出し、シミュレーションゲームの分野で確固たる地位を築いてきました。そのゲームは、戦略性、奥深さ、そして中毒性の高さで知られており、世界中のゲームファンから愛されています。

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