フォックスコン

フォックスコン(Foxconn)とは



フォックスコン(Foxconn)は、台湾鴻海精密工業(ホンハイせいみつこうぎょう)を中核とする、世界最大の電子機器受託生産(EMS)企業グループです。台湾では鴻海科技集団、中国本土では富士康科技集团として知られています。

事業内容



フォックスコンは、Appleヒューレット・パッカードデルなどの大手メーカーに対し、マザーボードや各種コネクタなどの部品供給、筐体の組み立てを請け負っています。また、任天堂Nintendo Switch、ソニーのPlayStationマイクロソフトXboxといったゲーム機、AppleのiPhoneやiPad、GoogleのPixelシリーズ、ノキア、ブラックベリーなどの携帯端末・スマートフォンの生産も担当しています。

さらに、アリババグループと共にソフトバンクロボティクスホールディングスに出資し、人型ロボット「Pepper」の量産を行ったことでも知られています。グラフィックボード分野では、LEADTEK社と協業し、WinFastブランドを展開しています。

中国の深圳に最初の製造拠点を築き、「ハードウェアシリコンバレー」とも呼ばれる場所で、中台分業体制の代表格としてEMS業界で存在感を示しています。

2010年9月時点では、従業員数が約80万人、そのうち54万人が中国本土で働いていました。iPadやiPhoneの売れ行き好調に伴い、さらに中国内陸部で40万人ほどの増員を予定していました。工場内は、カフェテリアや娯楽施設を備え、まるで小都市のようです。しかし、その一方で、従業員の過酷な労働環境や、それによるストレスが問題視されています。

未発売の製品情報漏洩を防ぐため、一部の工場は外部との交流が遮断されています。そのため、中国の工場ではロボット化が進められています。

2018年6月には、上海証券取引所上場し、中国本土の上場IT企業で最大の時価総額となりました。しかし、フォックスコンと中国政府との関係が台湾で問題視され、会長が辞任する事態となりました。また、米中貿易戦争の激化を受け、対米輸出向けの生産設備の一部を台湾に移転する方針も示しました。

歴史



1974年、鴻海塑膠企業有限公司として創業。当時は白黒テレビ用のプラスチック部品を製造していました。
1981年には、コンピューター用コネクターの製造を開始し、インテルなどのPC用マザーボードに採用されたことで急成長しました。
1982年、社名を現在の鴻海精密工業に変更。
1988年、中国に進出し、積極的に投資を行いました。
1990年代後半には、PC本体の製造委託でさらに成長を遂げました。
2003年には、エイサー系列だった國碁電子を吸収合併しました。

2007年以降はベトナムインドにも生産拠点を拡大しました。

2012年3月には、シャープとの業務提携で合意。代表者の投資会社がシャープディスプレイプロダクト株式会社の株式を取得し、社名を堺ディスプレイプロダクトに変更しました。

2016年には、シャープを買収し、グループ傘下に収めました。また、ノキアフィーチャーフォン事業も買収しました。

2022年、インドに半導体工場を建設することを発表しました。

主要取引先



Appleなど、大手電子機器メーカーが主要な取引先です。

生産拠点



フォックスコンは、アジアヨーロッパ南アメリカなど世界14か国に生産拠点を構え、電子機器の世界シェアの40%を占めています。

中国


9つの都市に13の工場があります。広東省深圳市にある工場は、フォックスコングループ最大の工場であり、従業員寮やプール、病院などの施設も完備されています。河南省鄭州市の工場は「iPhone City」と呼ばれています。

インド


タミル・ナードゥ州チェンナイに生産工場があります。グジャラート州にも工場が建設予定です。

ヨーロッパ


スロバキア共和国とチェコ共和国に生産工場があります。

メキシコ


チワワ州にコンピューターの生産工場があり、モトローラ社やシスコシステムズ社などの製品を生産しています。

ブラジル


アマゾナス州サンパウロ州などに生産工場があり、今後も投資を検討しています。

労働問題



フォックスコンでは、従業員の過酷な労働環境が度々問題視されています。長時間労働や低賃金、さらに自殺問題などが報じられています。また、児童労働も確認されています。

これらの問題に対し、フォックスコンは対策を講じていると主張していますが、改善の兆しは見られないという指摘もあります。

関連企業



鴻海精密工業 (TWSE: 2317)
鴻準精密工業 (TWSE: 2354)
為臻鼎科技 (TWSE: 4958)
建漢科技 (TWSE: 3062)
群創光電 (CMI, TWSE: 3481)
富士康国際 (HKSE: 2038)
シャープ
ソフトバンクロボティクスホールディングス

その他



フォックスコンは、売上高、利益ともに世界有数の電子機器メーカーです。
日本限定のマスコットキャラクターとして「ふぉっくす紺子」がいます。

外部リンク



Foxconn Technology Group
foxconnchannel(コンシューマー向けサイト)

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。