フォーチュネイト・サン

「フォーチュネイト・サン」（Fortunate Son）は、アメリカのロックバンド、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル（CCR）が1969年に発表した楽曲です。この曲は、アルバム『ウィリー・アンド・ザ・プアボーイズ』に収録されるに先駆け、シングル『ダウン・オン・ザ・コーナー』のB面としてリリースされました。

この曲は、ビルボードチャートで最高3位を記録し、アメリカレコード協会からゴールドディスクに認定されるなど、商業的な成功を収めました。また、ピッチフォーク・メディアが選ぶ「1960年代の偉大な曲200」では第17位にランクインするなど、音楽的な評価も非常に高い楽曲です。

歌詞の内容は、ベトナム戦争の時代を背景に、戦争に行くのは一般の人々であり、政治家や富裕層の息子たちではないという不公平さを訴えたものです。この曲のインスピレーションとなったのは、アイゼンハワー元大統領の孫がニクソン大統領の娘と結婚したという出来事であり、ジョン・フォガティは、特権階級の子供たちが戦争から免れている一方で、一般市民が犠牲になっている状況に強い憤りを覚えたと語っています。

「フォーチュネイト・サン」は、その強いメッセージ性から、ベトナム戦争を題材とした映画やビデオゲームに頻繁に使用されています。映画『フォレスト・ガンプ/一期一会|フォレスト・ガンプ_一期一会』では、主人公たちがベトナムへ向かうシーンで印象的に使われているほか、『ダイ・ハード4.0』や『スーサイド・スクワッド』など、多くの作品でそのサウンドを聴くことができます。また、『バトルフィールド』シリーズや『コール オブ デューティ ブラックオプス』などのビデオゲームでも使用され、その音楽は、ゲームの雰囲気を盛り上げる上で重要な役割を担っています。

この曲は、様々なアーティストによってカバーされており、ボブ・シーガー、パール・ジャム、U2、ブルース・スプリングスティーンなど、数多くの著名なミュージシャンがこの曲を演奏しています。2007年には、ジョン・フォガティ自身も、イラク戦争を批判する楽曲の中で、「幸運な息子」という言葉を用いています。また、2020年には、新型コロナウイルスのパンデミックの中、自宅でのライブ配信を行い、この曲を演奏し、世界中の人々に連帯を呼びかけました。

「フォーチュネイト・サン」は、ローリング・ストーン誌の「オールタイム・グレイテスト・ソング500」において、2004年版で99位、2021年版で227位にランクインしています。この曲は、時代を超えて、人々に深い感動を与え続ける、不朽の名曲と言えるでしょう。

以下に、この曲の主なカバーアーティストと、メディアでの使用例をまとめます。

カバーアーティスト（一部）
ボブ・シーガー
La Renga
ゴードン・ダウニー
ブランディ・チャーリー
パール・ジャム
U2
スリーター・キニー
コロージョン・オブ・コンフォーミティ
キャット・パワー
ドロップキック・マーフィーズ
38スペシャル
サークル・ジャーク
ミニットメン
キッド・ロック
W.A.S.P.
トッド・スナイダー
パティ・グリフィン
ブルース・スプリングスティーン

メディアでの使用例

ビデオゲーム
『バトルフィールド ベトナム』
『バトルフィールド バッド カンパニー2』
『コール オブ デューティ ブラックオプス』
『HOME FRONT』
『ギターヒーロー ウォリアーズロック』
『グランド・セフト・オートV』
『マフィアIII』
『ウォッチドッグス2』
『BioShock Infinite』
映画
『フォレスト・ガンプ/一期一会|フォレスト・ガンプ_一期一会』
『ダイ・ハード4.0』
『トロピック・サンダー/史上最低の作戦|トロピック・サンダー_史上最低の作戦』
『バトルシップ』
『スーサイド・スクワッド』
テレビドラマ
『Lights Out』
『Sons of Anarchy』
『CHUCK/チャック|CHUCK_チャック』

「フォーチュネイト・サン」は、音楽史における重要な楽曲の一つとして、これからも長く人々に愛され続けるでしょう。

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