フティオティダ県

フティオティダ県について

フティオティダ県（Φθιώτιδα / Fthiótida）は、ギリシャ共和国の中央ギリシャ地方に位置する行政区です。県都はラミアであり、この地域は古代ギリシャ時代から歴史的な重要性を持っていました。

名称の由来

古代ギリシャでは、この地域はプティーア（Φθία / Phthίa）またはプティオーティス（Φθιῶτις / Phthiôtis）と呼ばれていました。現代の県名フティオティダ（Φθιώτιδα / Fthiótida）は、この古代の地名に由来しています。カサレヴサ（純粋ギリシャ語）ではフティオティス（Φθιώτις / Fthiótis）と表記されることもあり、「フティオティス県」とも呼ばれます。また、Φθιώτιδα のカナ表記には「フシオティダ」や「フシオティザ」も用いられることがあります。

地理

フティオティダ県は、東にマリアク湾、南にヴィオティア県およびフォキダ県、南西にエトリア＝アカルナニア県、西にエヴリタニア県、北にカルディツァ県およびラリサ県、北東にマグニシア県と隣接しています。地形は北部、南部、西部が山地で、中央部が低地となっています。主要な道路である国道1号線は、かつては県西部を迂回していましたが、トンネルの開通によりルートが変更されました。

主要な都市

フティオティダ県には、以下のような人口3,000人以上の都市があります（2001年国勢調査による）。

ラミア（Λαμία）：46,406人
アタランディ（Αταλάντη）：5,949人
スティリダ（Στυλίδα）：5,095人
マレシナ（Μαλεσίνα）：4,227人
アンフィクリア（Αμφίκλεια）：3,523人
モロス（Μώλος）：3,203人
リヴァナテス（Λιβανάτες）：3,023人
マルティノ（Μαρτίνο）：3,005人

歴史

フティオティダの名称は古代から存在します。現在のフティオティダ県は、ギリシャ独立戦争中の1821年に、それまでフティオティダ・フォキスとして知られていた地域が分割され、北部がフティオティダ県となったものです（南部は現在のフォキス県）。

1950年代には、アテネとテッサロニキを結ぶ国道1号線の建設が始まりました。また、1950年代から1960年代にかけて、電線の敷設と道路の舗装が進められました。1990年代末には、県東部のスティリダ近郊でマリャコス・トンネルの建設が始まり、2000年代中頃に開通しました。

2005年には、県内のスペルヒャダで洪水が発生し、土石流などによる大きな被害を受けました。

行政区画

フティオティダ県は、以下の自治体（ディモス、市）で構成されています（2001年国勢調査時点の人口）。

カリクラティス改革（2010年）以前には、25の基礎自治体（23のディモスと2つのキノティタ）がありましたが、改革後にこれらの旧自治体は新自治体を構成する行政区（ディモティキ・エノティタ）となっています。

郡（エパルヒア）

かつては県内に郡（エパルヒア）がありましたが、2006年以降は法的な位置づけが行われていません。

交通

フティオティダ県内には、以下の主要な道路が通っています。

E65号線
国道1号線（E75号線）
国道3号線
国道27号線
国道38号線

これらの道路網が、県内の人々の移動と物流を支えています。

著名な出身者

タノス・リヴァディティス（俳優・脚本家、1934年 - 2005年）

スポーツ

フティオティダ県には、以下のスポーツチームがあります。

ラミアFC (サッカー)
ヨニコス・ラミアスBC (バスケットボール)

フティオティダ県は、古代からの歴史と豊かな自然を持つ地域であり、ギリシャの歴史と文化を理解する上で重要な場所です。

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