フォキダ県

フォキダ県（Φωκίδα / Phokida）は、ギリシャ共和国の中央ギリシャ地方に位置する行政区です。県都はアンフィサで、古代ギリシャ時代にはポーキスと呼ばれた地域の一部を含んでいます。特に、神託で知られるデルポイ（現在のデルフィ）は、この県内に位置しています。

名称

県名であるフォキダ（Φωκίδα / Phokida）は、カサレヴサ表記ではフォキス（Φωκίς / Phokis）となるため、「フォキス県」とも呼ばれることがあります。

地理

フォキダ県は、中央ギリシャ地方の西部に位置し、南はコリンティアコス湾に面しています。県都アンフィサは、州都ラミアから南へ約42km、ティーヴァから西北西へ約85km、首都アテネから西北へ約134km、パトラから東北へ約64kmの距離にあります。

北はフティオティダ県、東はヴィオティア県と接し、西はモルノス川を境界としてエトリア＝アカルナニア県と隣接しています。この地域は、古代ギリシャのポーキスに加え、ロクリスとドリスの一部を含んでいます。

地勢

フォキダ県は山岳地帯が中心であり、県面積2120km²のうち、平地はわずか36km²、森林は560km²に限られ、大部分が山岳地帯です。東部はパルナッソス山から続く山並みが連なり、西部はヴァルズーシア山などの山々が広がります。南部と東部の多くは岩の多い山地で、西部、中部、北部には緑が広がっています。また、県西部にはモルノス川を堰き止めたモルノス湖（面積3km²）が存在します。

主要な都市・集落

人口1000人以上の都市・集落は以下の通りです（2001年国勢調査）：

アンフィサ（デルフィ市アンフィサ地区） - 6,946人
イテア（デルフィ市イテア地区） - 4,666人
デルフィ（デルフィ市デルフィ地区） - 2,373人
デスフィナ（デルフィ市デスフィナ地区） - 2,024人
ガラヒディ（デルフィ市ガラヒディ地区） - 1,718人
ポルドロソス（デルフィ市パルナソス地区） - 1,465人

2010年以前の広域自治体としてのフォキダ県は、ギリシャ国内でも最も人口が少なく、人口密度も低い地域の一つでした。人口は主に県東南部のアンフィサやイテア周辺に集中しており、その他沿岸部に大きな町があります。北部および東部は人口が少ないです。

歴史

フォキダ県は、1948年にフティオティダ・フォキダ県が分割されて成立しました。1960年代にはモルノス・ダムが完成しています。

社会

夏期には観光客が押し寄せ、人口は2倍近くに増加します。現代のフォキス県には、古代からのさまざまなギリシャ人種族が居住しています。主な種族は、フォキス人、ロクリス人、ドーリア人で、これらの種族が混ざり合い、独自の言語的・文化的遺産を持つ現代のフォキス人を形成しています。彼らはしばしばルーメリオテスとして言及されます。

行政区画

フォキダ県は、以下の自治体（ディモス）から構成されます。

旧自治体（ディモティキ・エノティタ）

カリクラティス改革（2010年）以前の広域自治体としてのフォキダ県は、いくつかの基礎自治体（ディモス）から構成されていました。改革後、旧自治体は新自治体を構成する行政区となっています。

交通

道路

欧州自動車道路
E65号線: 〔… - ラミア〕 - アンフィサ - デルフィ - イテア - エラティニ - 〔アンディリオ - …〕
主要な自動車道路
GR-27号線: 〔ラミア〕 - アンフィサ - デルフィ - イテア
GR-48号線: 〔アンディリオ〕 - エラティニ - イテア - デルフィ - 〔リヴァディア - …〕

港湾

イテア港

フォキダ県は、歴史的な背景と自然の美しさが共存する地域であり、観光地としての魅力も持っています。

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