フランクリン・チャン＝ディアス

フランクリン・チャン＝ディアス：宇宙への情熱と革新的な推進技術

フランクリン・ラモン・チャン＝ディアス（Franklin Ramon Chang-Diaz、1950年4月5日 - ）は、コスタリカ系アメリカ人の技術者、物理学者、そしてアメリカ航空宇宙局（NASA）の宇宙飛行士です。彼は7度のスペースシャトルミッションに参加し、ジェリー・L・ロスと共に最多宇宙飛行回数記録を保持しています。また、宇宙を訪れた最初のヒスパニックとしても知られています。

生い立ちと教育

チャン＝ディアスはコスタリカのサンホセで、中国系の父親とスペイン系の母親の間に生まれました。コスタリカのラ・サール・スクールからアメリカ合衆国へ移り、高校を卒業後、1973年にコネチカット大学で機械工学の学位を取得。さらに、1977年にはマサチューセッツ工科大学（MIT）で応用プラズマ物理学の博士号を取得しました。大学院では、核融合とプラズマを用いたロケット推進の研究に没頭しました。

NASAでの輝かしいキャリア

1980年、チャン＝ディアスはNASAの宇宙飛行士候補に選ばれ、1986年のSTS-61-Cミッションで初めて宇宙へ飛び立ちました。その後、1989年のSTS-34、1992年のSTS-46、1994年のSTS-60、1996年のSTS-75、1998年のSTS-91、そして2002年のSTS-111と、合計7回のミッションに参加。STS-111ミッションでは、国際宇宙ステーション（ISS）の組み立て作業のため、フィリップ・ペリンと共に3度の宇宙遊泳を行いました。

1993年から2005年まで、ジョンソン宇宙センターのAdvanced Space Propulsion Laboratory（先進宇宙推進研究所）のディレクターを務め、宇宙推進技術の研究開発を指揮しました。2005年にNASAを退職。

NASA退職後の活動

NASA退職後、チャン＝ディアスはライス大学とヒューストン大学で非常勤教授を務めました。また、2009年12月までカミンズ社の取締役も務めています。

彼は、宇宙船推進のための比推力可変型プラズマ推進器（VASIMR）を発明し、自身が設立したAd Astraロケット社でその開発を続けています。VASIMRロケットは、理論上、火星まで人間をわずか39日で運ぶことができるとされています。

受賞と栄誉

チャン＝ディアスは、コスタリカで数々の勲章を受章し、コスタリカ議会からは名誉市民の称号を贈られています。また、コスタリカ国立高等技術センターなど、いくつかの組織が彼の名前にちなんで命名されています。

家族と名前

ラテンアメリカの命名法に倣い、父親と母親の姓を並べているため、彼はフランクリン・チャンと呼ばれることが多いです。娘の一人であるソニア・チャン＝ディアスは、サフォーク郡選出のマサチューセッツ州議会議員として活躍しています。

フランクリン・チャン＝ディアスは、宇宙探査への情熱と革新的な技術開発を通じて、人類の宇宙進出に多大な貢献をしている人物です。

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