フリースラント級駆逐艦

フリースラント級駆逐艦

フリースラント級駆逐艦（オランダ語: Friesland klasse Onderzeebootjager）は、オランダ海軍に所属する駆逐艦の艦級です。この艦級は、戦後初の国産劣化艦であるホラント級（47A型）を基に小改良を施して設計されました。最初の6隻が47B型として知られ、後の艦は49型と呼ばれることもあります。

設計の特徴

フリースラント級は、ホラント級の基本的な船型、具体的には船首楼型を踏襲しつつ、基準排水量を280トン増やし、全長も3メートル延長されました。この船体の拡張に伴い、主機関もアメリカのギアリング級駆逐艦と同様の構成に変更されました。具体的には、バブコック・アンド・ウィルコックス社製の水管ボイラーを用い、圧力39.8 kgf/cm²、温度454℃の蒸気を生成し、ゼネラル・エレクトリック社製のタービンによって出力されます。公試では最大速力42.8ノットを記録し、また甲板と舷側には装甲が施されています。

装備と性能

本級の装備は、ホラント級と同様に優れています。レーダーに関しては、前檣上に目標捕捉用のDA-01、後檣上に早期警戒用のLW-02を装備していましたが、その後さらに進化したDA-05及びLW-03に更新された可能性も指摘されています。また、当初はイギリス製の170型および162型ソナーが搭載されていましたが、1970年代初頭にはアメリカ製のCWE-610というマルチモード・ソナーに換装されました。

砲熕については、スウェーデンのボフォース社が供給する46口径120mm連装砲を艦首と艦尾にそれぞれ1基ずつ搭載しています。対空兵器としては、船体の大型化に伴い防空力が強化され、計6基の40mm単装機銃が搭載されましたが、近代化改修時に一部は撤去されています。

対潜兵器では、最初にリンボー対潜迫撃砲が設計されていましたが、より効果的なM/50 375mm対潜ロケット発射機に変更されました。さらに、1960年から1961年には対潜用の21インチ魚雷発射管が艦の両舷に8門搭載されましたが、後にこの発射管は他の艦への搭載計画が廃止されたため、撤去されました。

同型艦と運用歴

フリースラント級は、戦時中に急造されたS級およびN級駆逐艦を代替し、冷戦初期には艦隊の主力を担いました。しかし、戦後第1世代の駆逐艦であることから、次第に老朽化や装備の陳腐化が進行しました。そのため、コルテノール級フリゲートが導入され、1982年には運用を終了しました。ネームシップを除く7隻は、退役後にペルー海軍に売却されています。

フリースラント級駆逐艦は、オランダ海軍の歴史において重要な役割を果たした艦級であり、その設計や装備の独自性から、多くの注目を集める存在となっています。

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