フロックス属

フロックス属(Phlox)について



フロックス属は、ハナシノブ科に分類される植物のグループで、学名Phlox といいます。和名ではクサキョウチクトウ属とも呼ばれます。現在、67種が確認されており、その中には一年草と多年草の両方が存在します。

形態と生態



フロックス属の植物は、種によってその姿が大きく異なります。例えば、Phlox glaberrima のように1.5メートルにも成長するものもあれば、ツルハナシノブやシバザクラのように数センチ程度にしかならないものもあります。

は、チョウ幼虫の食料となるほか、ウサギやシカとなることもあります。は一般的に5枚の弁を持ち、その色は藤色など様々です。開時期も種によって異なり、早春に咲くものもあれば、から秋にかけて咲くものもあります。また、肥沃な環境で育てられた場合、種子も大きくなる傾向があります。

分布



フロックス属の植物は、主に北アメリカを原産地としています。一部の種は北東アジアにも分布しています。高山帯から森林草原まで、幅広い環境に適応して生育しています。

日本においては、主に以下の3種類のフロックスが栽培されています。

1. *クサキョウチクトウPhlox paniculata: の形が夾竹桃に似ていることからこの名で呼ばれ、別名「オイランソウ(魁草)」とも呼ばれます。これはの香りが魁の粉に似ていることに由来します。
2.
シバザクラ
Phlox subulata: 「ハナツメクサ」とも呼ばれ、日本では最も親しまれているフロックスの一つです。
3.
キキョウナデシコ(
Phlox drummondii: その名の通り、桔梗のような形のを咲かせます。

人間との関わり



フロックス属の植物は、キキョウナデシコ、クサキョウチクトウシバザクラなど、観賞用として重要なものが多くあります。これらの植物は、庭園や公園などで広く栽培され、人々に親しまれています。栽培する際には、水はけの良い土壌で、半日陰の環境が適しています。

主な種



以下に、フロックス属の主な種をいくつか挙げます。

Phlox adsurgens - Northern Phlox
Phlox alyssifolia
Phlox andicola
Phlox austromontana
Phlox bifida - Sand Phlox
Phlox borealis
Phlox bryoides
Phlox buckleyi - Swordleaf Phlox
Phlox caespitosa - Cushion Phlox
Phlox carolina - Thickleaf Phlox
Phlox cuspidata - Pointed Phlox
Phlox diffusa - Spreading Phlox
Phlox divaricata - Blue Phlox or Woodland Phlox
Phlox douglasii
Phlox drummondii - Drummond Phlox (キキョウナデシコ)
Phlox floridana - Florida Phlox
Phlox glaberrima - Smooth Phlox
Phlox idahonis - Idaho Phlox
Phlox kelseyi - Kelsey's Phlox
Phlox maculata - Meadow Phlox
Phlox missoulensis - Missoula Phlox
Phlox multiflora - Flowery Phlox, Rocky Mountain Phlox
Phlox nana - Santa Fe Phlox
Phlox nivalis - Trailing Phlox
Phlox ovata - Mountain Phlox
Phlox paniculata - Summer Phlox (クサキョウチクトウ、オイランソウ)
Phlox pilosa - Prairie Phlox
Phlox pulchra - Alabama Phlox
Phlox sibirica - Siberian Phlox
Phlox speciosa - Bush Phlox
Phlox stolonifera - Creeping Phlox (ツルハナシノブ)
Phlox subulata - Moss Phlox (シバザクラ)


参考資料



Germplasm Resources Information Network (GRIN)
Integrated Taxonomic Information System (ITIS)
National Center for Biotechnology Information (NCBI)
Encyclopedia of Life

関連項目



の一覧

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。