ブライアン・ハーパー

ブライアン・ハーパー：不遇の時代を乗り越え、ツインズで開花した名捕手

ブライアン・デイヴィッド・ハーパーは、1959年10月16日にカリフォルニア州ロサンゼルスで生まれました。1977年のMLBドラフトでカリフォルニア・エンゼルスから4巡目指名を受けプロ入り。1979年にメジャーデビューを果たしました。しかし、当時のエンゼルスにはボブ・ブーンという不動の捕手がおり、ハーパーはなかなか出場機会を得られませんでした。さらに、一塁、外野、指名打者の各ポジションにもロッド・カルー、レジー・ジャクソン、ドン・ベイラーといったスター選手がひしめき合っていたため、ハーパーはマイナーリーグでのプレーを余儀なくされます。1981年にはAAA級で打率.350、28本塁打という素晴らしい成績を残しましたが、その年限りでピッツバーグ・パイレーツへトレードされました。

パイレーツでも、正捕手トニー・ペーニャの壁は厚く、ハーパーは外野手への転向を試みられますが、足の遅さがネックとなり、メジャーとマイナーを往復する日々が続きました。1985年にはセントルイス・カージナルス、1986年にはデトロイト・タイガース、1987年にはオークランド・アスレチックスとチームを転々としましたが、レギュラーの座を掴むことはできませんでした。野球評論家のビル・ジェームスは、ハーパーが本来の能力を発揮できなかったのは、若手にチャンスを与えなかったエンゼルスなど周囲の不理解が原因だと指摘しています。

1988年、ハーパーはミネソタ・ツインズへ移籍し、外野手登録から捕手登録に変更されると、出場機会は飛躍的に増加。正捕手として活躍し、1991年のワールドシリーズ制覇にも貢献しました。守備面では、1989年に失策、1992年と1993年には許盗塁でリーグ最多を記録するなど課題を残しましたが、打撃面では卓越した才能を発揮。ツインズ在籍6シーズンのうち4シーズンで打率3割を達成（残り2シーズンも2割9分以上）し、1990年と1993年には三振1回当たりの打数がリーグ最多となるなど、三振しにくい打者としても知られました。しかし、四球はシーズンを通して20前後と少なかったです。

好打の捕手であったハーパーでしたが、財政的に苦しかったツインズは彼を引き留めることができず、1994年にフリーエージェントでミルウォーキー・ブルワーズへ移籍しました。ブルワーズでも打率.291と高い打撃力を見せましたが、正捕手デービッド・ニルソンの存在や、後にゴールドグラブ賞を獲得するマイク・マシーニーの台頭により、捕手としての出場機会は限られました。1年契約満了後、1994年から1995年のMLBストライキの影響で所属先が決まらない状態が続きます。1995年4月、古巣オークランド・アスレチックスと契約しますが、2試合7打席無安打に終わり、この年限りでメジャーでのキャリアを終えました。

引退後は指導者としての道を歩み始め、2001年からマイナーリーグの監督を歴任。エンゼルス傘下のルーキークラス（2001年～2005年）、AAA級ソルトレイク（2007年）、ジャイアンツ傘下のA+級サンノゼ（2010年）、カブス傘下のAA級テネシー（2011年～）で監督を務め、後進の育成に尽力しています。息子のブレット・ハーパーもプロ野球選手として、横浜ベイスターズや楽天イーグルスなどで活躍しました。

年度別打撃成績

背番号

7 （1979年）
9 （1981年）
12 （1982年 - 1984年、1988年 - 1995年）
25 （1985年）
32 （1986年）
31 （1987年）

脚注

出典

外部リンク

選手の通算成績と情報 MLB
選手の通算成績と情報 ESPN
選手の通算成績と情報 Baseball-Reference
選手の通算成績と情報 Fangraphs
選手の通算成績と情報 The Baseball Cube
選手の通算成績と情報 Baseball-Reference (Register)

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