ブラックボード (映画)

映画『ブラックボード』

1986年に公開された新藤兼人監督による映画『ブラックボード』は、いじめ問題と少年犯罪という社会的なテーマを扱った作品です。物語は、初夏の日に川底から発見された中学生、安井猛の遺体から始まります。警察の捜査により、同級生の槙田五郎と杉原義夫が逮捕されますが、その後の新聞記者の調査で、被害者である猛による凄惨ないじめの実態が明らかになります。

特徴

本作は、単なる事件の真相を追うだけでなく、いじめがもたらす深刻な影響と、その背景にある社会構造にまで深く切り込んでいます。劇中には、評論家の言葉が挿入されるという独特な手法が用いられており、事件を多角的に考察する視点が加えられています。また、サザンオールスターズの楽曲が全編にわたって使用されていることも特徴の一つです。

あらすじ

ある初夏の日、川底から1人の少年、安井猛の遺体が発見されます。警察の捜査の結果、猛の同級生である槙田五郎と杉原義夫が犯人として逮捕されます。世間は騒然となり、2人の通う中学校は連日マスコミに囲まれることになります。五郎と義夫は犯行をあっさりと認めますが、その後の新聞記者、三上の調査によって、猛が2人に対してすさまじいいじめを行っていたことが判明します。

スタッフ

監督・脚本：新藤兼人
プロデューサー：高島道吉、遠藤雅也、新藤次郎
撮影：三宅義行
音楽：林光
美術：重田重盛
録音：武進
編集：近藤光雄
照明：山下進
助監督：山本伊知郎
ロケ協力：鎌倉市立大船中学校
現像：IMAGICA
MA：東宝サウンドスタジオ
製作者：小野岩雄
企画：森川英太朗
製作：地域文化推進の会、電通
配給：近代映画協会
イメージソング：「Weakenな告白」松村冬風（本編未使用）

キャスト

安井猛：辻輝猛
安井波江：乙羽信子
槙田五郎：南渕一輝
杉原義夫：阿部征夫
矢沢智子：佐野量子
三上（新聞記者）：宅麻伸
警部補：森本レオ
校長：財津一郎
教頭：井川比佐志
富田実：田中隆三
バードウォッチャー（目撃者）：殿山泰司
安井恵子：大村美樹
相沢圭子：川上麻衣子
岩上順子：初井言榮
清瀬（体育教師）：辻萬長
犬と散歩する主婦（遺体発見者）：吉行和子
その他：赤塚行雄、俵萌子、桜井センリ、戸浦六宏、白川和子、森塚敏、石井富子、草野大悟、江角英明、伊藤敏八、江藤漢、平野稔、竜のり子、広瀬昌助、千葉裕子、大地康雄、及川以造、園みどりなど。

音楽

劇中では、サザンオールスターズの『いとしのエリー』、『青い空の心』、『JAPANEGGAE』などの楽曲が全編にわたって使用されています。また、イメージソングとして松村冬風の『Weakenな告白』が起用されましたが、本編では使用されませんでした。

外部リンク

ブラックボード - allcinema
ブラックボード - KINENOTE
* ブラックボード - IMDb（英語）

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