ブラッド・レイガンズ

ブラッド・レイガンズのキャリアと功績

ブラッド・レイガンズ（Brad Rheingans）は、1953年12月13日生まれのアメリカ出身のプロレスラーで、ミネソタ州アップルトンにルーツを持ちます。彼はレスリングの才能を若いうちから発揮し、1972年にはワールドカップでフリースタイル92kg級のタイトルを獲得するなど、その腕前が注目されました。さらに、1975年にはNCAAのチャンピオンに輝き、1976年のモントリオールオリンピックではグレコローマン100kg級で4位に入賞しました。

1979年、ブラッドは世界選手権で3位を獲得し、パンナム大会では二連覇を達成。その後、1980年のモスクワオリンピックにおいては金メダルが期待されましたが、アメリカを含む西側諸国のボイコットにより出場の機会を失いました。この困難を乗り越え、彼はバーン・ガニアにスカウトされてプロレスに転向しました。1981年にはAWAでプロデビューを果たします。

レイガンズはデビュー以降、技巧派のベビーフェイスとして数々の著名選手と戦いました。彼のリングでのパフォーマンスは、多くのファンの支持を集め、1983年8月には日本の全日本プロレスにも初来日し、ジャンボ鶴田との試合が行われました。AWAでは次期世界王者候補とされ、ニック・ボックウィンクルのAWA世界ヘビー級王座に挑むなど、その存在感を示しました。

1987年、WWFに移籍し、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで初戦を飾りますが、ヒール選手との対戦が続く中で前座のポジションから抜け出せず、その後短期間でWWFを離脱しました。AWAに戻ると、ケン・パテラとタッグチーム「オリンピアンズ」を結成し、1989年3月にはAWA世界タッグ王座を獲得する等、活躍の場を広げました。

また、1989年からは新日本プロレスで外国人選手として定期的に出場し、スティーブ・ウィリアムスと共に「米ソレスリング抗争」を展開しました。彼は若手選手の指導にも力を入れ、自らの経験を生かしてトレーニングを行い、スコット・ノートンをはじめとする多くのレスラーを育成しました。

引退後は、ミネアポリスで「レイガンズ道場」と呼ばれるレスリングスクールを率い、選手たちの育成に注力しています。さらに、1990年代初頭にはアメリカの女子プロレス団体LPWAでもトレーナーとしての役割を果たしました。

獲得タイトル

• - AWA世界タッグ王座：1回（ケン・パテラと共に）
• - PWAタッグ王座：1回（バロン・フォン・ラシクと共に）

彼が育成した選手の中には、ケビン・ワコーズ（ネイルズ）、レオン・ホワイト（ベイダー）、ブロック・レスナーなどの名レスラーが名を連ねています。ブラッド・レイガンズは、卓越したレスリング技術と業績により、アメリカのプロレス界において重要な存在として記憶されています。

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