ブリスベン空港

ブリスベン空港の概要

ブリスベン空港は、オーストラリア・クイーンズランド州の州都ブリスベンに位置する主要な空港です。市内中心部から北東へ約10kmの場所にあり、国内外への重要な玄関口として機能しています。1925年にイーグルファーム飛行場として開設された歴史を持ち、その後、太平洋戦争を経て、現在の場所に移転・拡張されました。

歴史

1925年、イーグルファーム競馬場の隣接地に草地の滑走路が建設され、イーグルファーム飛行場として誕生しました。翌年にはカンタス航空が定期便を就航させ、初期の航空輸送を支えました。しかし、1931年にはより設備が整ったアーチャーフィールド空港が開業し、民間航空会社はそちらへ移動しました。

太平洋戦争中、イーグルファーム飛行場はダグラス・マッカーサー率いる米軍司令部の拠点となり、大幅な拡張が施されました。一方、アーチャーフィールド空港はオーストラリア空軍が使用しました。終戦後、航空会社はイーグルファームに戻り、運航を再開しました。

1970年代に入ると、イーグルファームの施設は増加する航空需要に対応できなくなり、連邦政府主導で北側に新空港を建設する計画が立てられました。建設地は湿地帯であったため、モートン湾のクリブ島の砂を投入して地盤のかさ上げを行い、1988年に新空港が開業しました。旧空港跡地は物流センターとして活用され、24時間発着が可能な緩衝地帯となっています。2020年には新滑走路が完成し、さらなる機能強化が図られました。

利用実績と就航都市

2017年の旅客数は2320万人に達し、オーストラリア国内で3位の規模を誇ります。国内線ではシドニー、メルボルン、ケアンズが、国際線ではオークランド、シンガポール、ドバイが主要な行き先となっています。

空港内には、2つの旅客ターミナルと1つの貨物ターミナルがあり、国内外の広範囲な都市に就航しています。

旅客便就航都市一覧

オーストラリア国内: アデレード、ダーウィン、ゴールドコースト、メルボルン、パース、シドニーなど57都市
メラネシア: パプアニューギニア（ポートモレスビー）、ソロモン諸島（ホニアラ、ムンダ）、バヌアツ（ポートビラ、ルーガンビル）、ニューカレドニア（ヌメア）、フィジー（ナンディ）
ポリネシア: ニュージーランド（オークランド、クライストチャーチ、クイーンズタウン、ウェリントン）、サモア（アピア）
ミクロネシア: パラオ（コロール）、ナウル
東アジア: 日本（東京/成田、大阪/関西）、台湾（台北/桃園）、韓国（ソウル/仁川）、中国（広州、上海/浦東）、香港
東南アジア: フィリピン（マニラ）、ベトナム（ホーチミンシティ）、マレーシア（クアラルンプール）、シンガポール、インドネシア（デンパサール）
西アジア: アラブ首長国連邦（ドバイ）、カタール（ドーハ）
北アメリカ: アメリカ合衆国（ロサンゼルス、サンフランシスコ）、カナダ（バンクーバー）

過去には多くの航空会社が就航していましたが、現在はカンタス航空とジェットスター航空が日本路線を運航しています。

日本への路線

2024年2月現在、カンタス航空が東京/成田線を、ジェットスター航空が東京/成田線と大阪/関西線を運航しています。過去には日本航空が成田空港への直行便を運航していましたが、2010年に運航を停止しました。その後、2015年にカンタス航空が日本路線を再開しましたが、一時中断を経て、2023年11月26日より成田線が復活しました。ジェットスター航空も2023年10月から成田線を、2024年2月からは関西線を運航しており、日本とブリスベン間のアクセスが再び向上しています。

アクセス

ブリスベン空港へのアクセスは鉄道、自動車、バス、タクシーなど多様な手段が利用可能です。

鉄道: エアトレインが市内中心部と空港を結び、国際線ターミナル駅までは約19分、国内線ターミナル駅までは約23分で到着します。
自動車: 市内からはキングスフォードスミス通りやゲートウェイ高速道路経由で約20分で到着します。
バス: コーチトランスがローマストリート駅や市内各ホテルから運行しており、片道9ドルで利用可能です。
タクシー: 市内から空港までは約30～40ドルで利用できます。


ブリスベン空港は、オーストラリアの主要空港として、国内外の旅行者にとって重要な役割を果たしています。

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