ブルックヘブン国立研究所

ブルックヘブン国立研究所

ブルックヘブン国立研究所（Brookhaven National Laboratory、略称: BNL）は、アメリカ合衆国のニューヨーク州ロングアイランドに位置する国立研究所です。具体的には、サフォーク郡のブルックヘブン町にあり、ニューヨーク市からおよそ65マイル東に位置しています。この研究所は1947年に設立され、アメリカ合衆国エネルギー省の監督下で運営されています。

研究分野と設備

BNLでは、物理学、生物医学、環境科学、エネルギー技術、国家安全保障など、幅広い分野にわたる研究が行われています。これらの研究は、エネルギー省との協約に基づいて、ブルックヘブン・サイエンス・アソシエーツというストーニーブルック大学とバテル記念研究所による共同体によって管理されています。

研究所内には、重イオン衝突型加速器（RHIC）、ナショナルシンクロトロン光源（NSLS）、ナショナルシンクロトロン光源II（NSLS II）、レーザー・エレクトロン加速器施設（LEAF）、さらにはコスモトロンなど、多くの大型実験設備が整備されており、先端的な研究を支えています。

ノーベル賞と著名な研究者

ブルックヘブン国立研究所は、数多くのノーベル賞受賞者を輩出しています。特に物理学分野では、1957年に楊振寧と李政道が素粒子物理学に関する重要な発見を行い、1976年にはサミュエル・ティンが新しい重い素粒子の発見により受賞しました。その他にも、1980年にジェイムズ・クローニンとヴァル・フィッチが中性K中間子崩壊に関する研究で受賞、1988年にはレオン・レーダーマン、メルヴィン・シュワーツ、ジャック・シュタインバーガーがニュートリノビーム法によるレプトンの二重構造の実証でノーベル賞を受賞しました。2002年にはレイモンド・デービスが天体物理学への貢献を評価されノーベル賞を受けています。

化学においても、ブルックヘブン出身のロデリック・マキノンが2003年に細胞膜のチャネルに関する重要な発見でノーベル化学賞を受賞し、2009年にはヴェンカトラマン・ラマクリシュナンとトマス・A・スタイツがリボソームに関する研究で受賞しました。

在籍した著名な研究者

さまざまな優れた研究者がこの研究所で活動してきました。例えば、尾崎敏はNSLS-II計画の加速器システム部の部長を務め、高エネルギー物理学研究所の名誉教授としても名を馳せました。また、久保野茂や白根元もそれぞれの分野で著名な教育者・研究者として活動しています。中西襄や野本憲一、原田仁平、真木和美など、多くの研究者がここで活躍し、国際的な学問の発展に寄与しています。

まとめ

ブルックヘブン国立研究所は、その優れた研究や多くのノーベル賞をはじめとする業績により、世界的に高い評価を受けている国立の研究機関です。各種取り組みを通じて、科学技術の進展に貢献し続けています。また、理化学研究所との連携を強化し、国際的な研究交流も推進しています。研究所の公式ウェブサイトでは、さらなる情報を提供しており、興味のある方はぜひ訪れてみてください。

もう一度検索