ブルース・メルニック

ブルース・メルニック：宇宙と航空の世界を駆け抜けたパイオニア

ブルース・メルニック（Bruce Edward Melnick）は、1949年12月5日生まれのアメリカ人。宇宙飛行士、アメリカ沿岸警備隊の中佐という顔を持ち、NASAと沿岸警備隊を退職後は、航空宇宙業界で活躍しました。ボーイングのIntegrated Defense Systems group関連会社の副社長として、ケネディ宇宙センターの運用を担い、2008年に引退。現在はフロリダ州メリット島に在住しています。

生い立ちと教育

メルニックはニューヨーク市で生まれましたが、フロリダ州クリアウォーターを故郷と自認しています。1967年にクリアウォーター高校を卒業後、ジョージア工科大学で1年間学び、1972年にアメリカ沿岸警備隊士官学校で工学の学士号を取得。1975年にはウェストフロリダ大学で航空システムの修士号を取得しました。2001年4月28日には、ウェストフロリダ大学から名誉博士号を授与されています。

沿岸警備隊でのキャリア

メルニックは、アメリカ沿岸警備隊で20年のキャリアを積み、中佐にまで昇進しました。テキサス州グランドプレーリーの沿岸警備隊航空機プログラムオフィスでは、チーフテストパイロットとしてHH-65 ドルフィンの開発と承認試験における全ての試験飛行を指揮し、飛行マニュアルも執筆しました。

沿岸警備隊在籍中には、2つのディフェンス・ディスティングシュドサービスメダル、2つの殊勲飛行十字章、Secretary of Transportation Heroism Awardなど、数々の賞を受賞。1992年には、U.S. Coast Guard Academy Distinguished Alumni Awardを受賞しています。

SH-3 シーキング、シコルスキー S-62、HH-65 ドルフィン、T-38など、5000時間以上の飛行経験を持ち、1987年にNASAに選出。1988年8月に宇宙飛行士となり、STS-41とSTS-49で宇宙を訪れました。彼は、宇宙を訪れた初の沿岸警備隊の飛行士となりました。1992年7月に沿岸警備隊とNASAを退任しています。

航空業界でのキャリア

メルニックは、ケネディ宇宙センターのBoeing Florida Operationsの副社長を務めました。この組織は、Boeing Integrated Defense Systems groupの一部門であり、ボーイングのプログラムに対し、技術、設備、メンテナンスなどの多様な支援サービスを提供しています。フロリダ州タイタスビルに本部を置き、約2400人の従業員がNASAや国防総省に対し、スペースシャトル、国際宇宙ステーション、デルタロケットなどのサービスを提供していました。また、フロリダ州内での新規事業の開拓も担当していました。

以前は、ケネディ宇宙センターで1600人の従業員を抱えるNASAとのペイロード地上運用契約において、ボーイング側の副代表を務めていました。この契約には、スペースシャトルのミッションにおける打ち上げ前と着陸後の宇宙船やペイロードに関する技術的、設備的なサポートやメンテナンスが全て含まれていました。さらに、国際宇宙ステーションのハードウェア支援もNASAおよびその請負業者に提供していました。

ボーイング（当時はマクドネル・ダグラス）に入社する前の1994年から1996年までは、ロッキード・マーチンの一部門だったユナイテッド・スペース・アライアンスのShuttle Engineeringのディレクターを務めていました。1992年から1994年までは、Lockheed Space Operations CompanyのProcess Improvement Technologyのディレクターを務めています。

まとめ

ブルース・メルニックは、沿岸警備隊での輝かしいキャリアを経て、宇宙飛行士として宇宙へ飛び立ち、その後は航空宇宙業界でリーダーシップを発揮した人物です。彼の多岐にわたる経験と貢献は、多くの人々に感銘を与え続けています。

出典:
Spacefacts biography of Bruce E. Melnick

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