ブレット・ロウリー

ブレット・ロウリー：カナダが生んだ異才の野球選手

ブレット・ラッセル・ロウリー（Brett Russell Lawrie）は、1990年1月18日生まれ、カナダ・ブリティッシュコロンビア州ラングリー出身の元プロ野球選手です。三塁手、二塁手として活躍しました。右投右打。

プロ入り前

ロウリーはバンクーバー近郊で育ち、幼い頃からシアトル・マリナーズのファンでした。高校時代は、ブリティッシュコロンビア・プレミア・ベースボール・リーグのラングリー・ブレイズで、俊足強打の捕手として注目を集め、早くからメジャーリーグのスカウトの注目を集めていました。

ブルワーズ傘下時代

アリゾナ州立大学への進学を予定していましたが、2008年のMLBドラフトで、カナダ人打者としては史上最高となる1巡目（全体16位）でミルウォーキー・ブルワーズから指名を受けプロ入り。同年8月には、北京オリンピックの野球カナダ代表にも選出されています。

2009年には、第2回WBCのカナダ代表にも選ばれました。シーズンではA級ウィスコンシン・ティンバーラトラーズに配属。打率.274、13本塁打、OPS.802という好成績を残し、シーズン終盤には19歳でAA級ハンツビル・スターズに昇格。この頃、ポジションを捕手から二塁手にコンバートされました。シーズン終了後には、「ベースボール・アメリカ」誌選定の有望株ランキングで、アルシデス・エスコバーに次いで球団2位の評価を受けています。

ブルージェイズ時代

2010年12月、ショーン・マーカムとのトレードでトロント・ブルージェイズへ移籍。2011年8月5日、ボルチモア・オリオールズ戦で三塁手としてMLBデビューを果たしました。初打席で初安打となるタイムリーを放ち、8月10日には本拠地で満塁ホームランを記録。9月5日にはサヨナラ本塁打を放つなど、トロントのファンから大きな期待を寄せられました。しかし、9月21日の試合前の守備練習で右手中指を骨折し、シーズンを終えることになります。MLBでは43試合の出場で、打率.293、9本塁打、25打点、OPS.953という素晴らしい成績を残しました。

2012年5月15日のタンパベイ・レイズ戦では、ストライクの判定に激昂し、ヘルメットを地面に叩きつけた際に、ヘルメットが跳ね返って主審に当たり退場処分を受けました。MLB機構から4試合の出場停止処分を受けています。この年は125試合に出場し、初めて規定打席に到達。打率.273、11本塁打、48打点、13盗塁、OPS.729などを記録。守備では、守備防御点（DRS）でリーグトップの+20を記録し、フィールディング・バイブル・アワードの最終選考にも残りました。

2013年1月には、第3回WBC本戦のカナダ代表に選出されました。レギュラーシーズンでは107試合に出場し、打率.254、11本塁打、46打点、9盗塁を記録しています。

2014年は、開幕から69試合の出場で自己最多となる12本塁打を記録しましたが、右手人差し指を故障し、6月23日に故障者リスト入り。8月5日にメジャー復帰を果たしましたが、翌6日に左脇腹を故障し、再び故障者リスト入り。度重なる故障に悩まされ、70試合の出場に終わりました。

アスレチックス時代

2014年11月、ジョシュ・ドナルドソンとのトレードで、ショーン・ノリン、フランクリン・バレト、ケンドール・グレーブマンと共にオークランド・アスレチックスへ移籍。2015年は、146試合に出場し、3シーズンぶりに規定打席に到達。打率.260、29二塁打、16本塁打、60打点を記録しましたが、144三振を喫しました。三塁守備では、18失策を記録し、守備率.937、DRS -3という成績でした。

ホワイトソックス時代

2015年12月、J.B.ウェンデルケンとザック・アーウィンとのトレードでシカゴ・ホワイトソックスへ移籍。2016年は、二塁手のレギュラーとして起用されましたが、7月27日にハムストリングを痛め故障者リスト入り。そのままシーズンを終え、94試合の出場に留まりました。打率.248、12本塁打、36打点、7盗塁を記録しています。

2017年3月3日に自由契約となり、同日にマイナーリーグ契約を結びましたが、5日に再び自由契約となりました。

ブルワーズ傘下時代とその後

2019年2月、ミルウォーキー・ブルワーズとマイナー契約を結び、現役復帰を目指しましたが、故障からの回復が思わしくなく、試合に出場することなく6月に解雇。現役引退となりました。

プレースタイル

優れた打撃技術と高い身体能力が持ち味。マイナーリーグ時代には30盗塁を記録するなど、走塁能力も高い選手でした。守備では、ブルージェイズ移籍後に三塁手へコンバートされてからは、広い守備範囲と強肩を活かしたプレーで高い評価を得ました。

人物

姉のダニエル・ロウリーは、ソフトボールのカナダ代表投手として活躍しています。

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