ブローム・ウント・フォス BV 138とは？意味をやさしく解説

ブローム・ウント・フォス BV 138 (Blohm & Voss BV 138)

ブローム・ウント・フォス BV 138は、第二次世界大戦時にドイツ空軍（Luftwaffe）が運用した重要な長距離偵察飛行艇です。この機体は1938年から1943年にかけて297機が生産され、特に海上作戦での活躍が目立ちました。

機体の開発

BV 138の開発は1934年に始まります。元々はハンブルク航空機がHa 138と名付けて設計に着手しましたが、エンジンの開発が遅れたことから改良を余儀なくされました。当初はBMW社製のエンジンを2基搭載する予定でしたが、最終的にはドルニエ Do 18と同じユンカースユモ 205を3基搭載する形式に変更されました。

1937年に初めて完成したHa 138は、方向安定性が低く、荒天時の強度にも問題を抱えていました。そのため、この機体は開発途中で破棄され、艇体を延長した新しい設計に移行しました。この新たな開発中に会社名がブローム・ウント・フォス社に改名され、これがBV 138の名の由来です。

初飛行と改良

初号機は1939年に初飛行を果たしましたが、ありあまる課題を抱えるBV 138は、初期の試作機の段階で構造的な強度不足が指摘されました。そのため、試作機BV 138Aは改造のために工場に戻され、様々な補強が施されました。この改良をもとに、さらなる強力なエンジンを搭載したBV 138Bが生産された後、1941年により堅牢なBV 138Cが登場しました。こちらは227機が製造され、主力機としての地位を固めました。

戦闘での活躍

BV 138は北欧侵攻の一環として、ヴェーザー演習作戦にも参加しました。また、ノルウェー沖や大西洋、地中海での艦隊攻撃においてUボートとの連携を行い、機雷掃海、物資や兵員の輸送など幅広い支援任務にも従事しました。

スペック

BV 138の主要な仕様は以下の通りです。

- 全長: 19.85 m
- 全幅: 27.00 m
- 全高: 5.90 m
- 全備重量: 15,480 kg
- エンジン: ユンカース Jumo205D（880 hp × 3）
- 最大速度: 290 km/h
- 航続距離: 4,023 km
- 武装: 20 mm機関砲 × 2、13 mm機関銃 × 2、150 kg爆弾 × 4
- 乗員: 6名

外部リンク

BV 138はその性能と運用の幅広さから、ドイツ軍の空中戦力において重要な役割を果たしました。その特異な設計と歴史は、航空機愛好家や歴史研究者にとって魅力的なテーマとなっています。

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