ブーシェフル州

ブーシェフル州

ブーシェフル州は、イラン南部に位置し、ペルシア湾に面した州です。州都はバンダレ・ブーシェフルで、ブーシェフル、ダシュティー、デイラムなど7つの郡を擁しています。人口は約116万人（2016年国勢調査）です。

歴史

ブーシェフルは、古代から交易と戦略の要衝として重要な役割を果たしてきました。

古代：ギリシア語史料にメザンブリアとして登場し、エラム時代にはリヤンとして知られ、インド洋交易の窓口でした。
ペルシア時代：メディア、ハカーマニシュ朝時代には定住地が形成され、「バルダケ・スィヤーフ」城塞などが築かれました。
サーサーン朝時代：ペルシア湾の要港として「バフテ・アルダシール」と呼ばれ、要塞化されました。
イスラム時代：7世紀にイスラム勢力の侵入を受け、衰退の時代に入りました。
近世：16世紀にポルトガルが侵攻し占拠しましたが、サファヴィー朝のアッバース1世が奪回。アフシャール朝時代にはナーディル・シャーのもとで繁栄を取り戻し、艦隊の母港として整備されました。
ガージャール朝時代：イギリス、ロシアなど列強が拠点を設け、交易が活発化しました。しかし、イギリスの度重なる占領を受け、パフラヴィー朝成立とともに再び衰退しました。
現代：イラン・イラク戦争で激しい損害を受けましたが、復興が進められています。

現代のブーシェフル州

バンダレ・ブーシェフルは、イラン第二の軍港として復興しています。また、以下の施設があります。

ハールク島：イラン・イラク戦争中、石油輸出の代替港として機能しました。
ブーシェフル原子力発電所：イラン最初の原子炉です。
アサールーイェ工業地帯：世界最大の天然ガス田「南パールス・ガス田」に近接し、大規模な投資が行われています。

隣接州

フーゼスターン州
コフギールーイェ・ブーイェル＝アフマド州
ファールス州
ホルモズガーン州

高等教育機関

ブーシェフル医科大学
ペルシア湾岸大学
イスラーム自由大学ブーシェフル
イスラーム自由大学ハールク
イラン原子力エネルギー大学

景勝・旧跡

ブーシェフルは、観光地としての潜在性を持っていますが、観光投資はまだ十分ではありません。州内にはイラン文化遺産協会に登録された45ヵ所の文化遺産があります。

ガルエ・ホランディーハー（オランダ人城塞）
マーバード・ポセイドン（ポセイドン神殿）
ゴレスターン・バスターニー（古代の墓地）
エマームザーデ・ミール・モハンマド・ハニーフェ
アーラムガーフ（墓廟）・ハーッジ・モハンマド・エブラーヒーム・エスファハーニー
ハールク島の古い教会
ガヴァーム給水施設
ガーズィー住宅
英国将軍のマグバレ（墓）
シェイフ・サドゥーン・モスク
キリスト教会
ライーエス・アリー・デルヴァーリー家
マーレク家
レイ・シャフル遺跡（バンダレ・ブーシェフルの8km南）
アブドル・モヘイムルン廟
ダルヤー・ベイグーイー家
デフダシュティー家

ブーシェフル州は、豊かな歴史と多様な文化遺産、そして重要な産業基盤を持つ地域です。今後の観光開発によって、更なる発展が期待されています。

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