プジョー・404

プジョー404の概要

プジョー404は、フランスの自動車メーカーであるプジョーが製造した自動車で、1960年から1988年までの長い期間にわたり生産されました。このモデルは、イタリアのカロッツェリア・ピニンファリーナによってデザインされ、その特徴的で流れるようなスタイルは、デビュー当初から高い評価を受けていました。プジョーのイメージを体現したこの車は、単なる外見だけでなく、その機能面でも優れた特性を持っていました。

デザインと性能

404は、先代モデルのプジョー・403から引き継がれた堅固な設計に加え、多くの新設計が施されていました。特に、新しいサスペンションシステムは、ラジアルタイヤの取り付けを前提にした設計がなされており、高度な操縦性と快適な乗り心地を両立させることに成功しました。また、プジョー車は一般的に耐久性が高いことで知られており、404もその例に漏れませんでした。長いモデルライフの間、安定した性能が支持され、発展途上国への輸出やタクシーとしての使用においても重宝されることとなりました。

バリエーション

プジョー404には、4ドアセダン、5ドアステーションワゴン、ピックアップトラックといった様々なバリエーションがありました。さらに1961年には、ピニンファリーナ製の2ドアカブリオレモデル、1962年には2ドアクーペが追加され、両モデルはプジョーのフラッグシップとして長期間にわたり展開されました。カブリオレとクーペは1971年まで続けられ、その後はプジョー504にバトンタッチされました。

エンジンとトランスミッション

404は、1,468 ccと1,600 ccのガソリンエンジン、また1,816 ccと1,948 ccのディーゼルエンジンが搭載されており、多様な仕様が用意されていました。特に、クーゲルフィッシャー製の機械式燃料噴射装置を装備したモデルもありました。ガソリン車は66馬力から96馬力、ディーゼル車は55馬力から68馬力の出力を持つ仕様が存在し、そのバリエーションの豊富さは注目に値します。トランスミッションにはコラムシフトの4速マニュアルと、ZF製の3速オートマチックギアボックスの選択肢がありました。

生産と輸出

フランス国内での生産は1975年に終了し、総生産台数は1,847,568台に達しましたが、生産はその後も国外の発展途上国で続けられました。1988年に404の生産が完全に終了した時点で、その総生産台数は2,885,374台に達していました。この数字は404の世界的な人気と需要を物語っています。

ラリーカーとしての活躍

404はラリーカーとしても優れた性能を発揮し、特に1963年、1966年、1967年、1968年のサファリラリーでの勝利は、このモデルの歴史において重要な出来事でした。

日本市場

日本においては、総代理店である新東洋企業を通じて、1960年代にプジョー404のセダン、クーペ、カブリオレが輸入されましたが、取り扱い台数は少なかったため、希少な存在となっています。また、プジョーの公式ウェブサイトでは404に関する特別なページが作成されており、そのデザインや存在感は今でも多くのファンに愛されています。最終的に404は、プジョー車の中でも特別な位置づけを持ったモデルとして、今後も語り継がれることでしょう。

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