プランダル条約 (1776年)

プランダル条約について

プランダル条約（英: Treaty of Purandhar）は、1776年3月1日にカルカッタで締結された重要な歴史的契約であり、マラーター王国の宰相とイギリス東インド会社の間で交わされました。この条約は、イギリスがサルセット島を確保していたことを背景にしています。

背景

1773年8月、マラーター王国の宰相ナーラーヤン・ラーオが暗殺され、その後、彼の叔父であるラグナート・ラーオが新たに宰相に就任しました。しかし、ラーオは暗殺事件の黒幕とみなされ、その後、1774年4月に廃位となりました。彼は復権を目指し、イギリス東インド会社との接触を試みました。

当時のベンガル総督であったウォーレン・ヘースティングズは、マラーター王国の内紛に介入する絶好の機会と見て、1775年3月にスーラト条約を結びました。この条約では、ラグナート・ラーオはイギリスからの兵員の助力を得る代わりに、サルセットとバセイン周辺の領土を譲渡しましたが、彼は第一次マラーター戦争での敗北を喫し、事態は混沌としました。

条約の締結

ヘースティングズがプネーへの進撃が困難であるとの見解を示したことから、カルカッタの参事会はスーラト条約を非難しました。そして、1776年3月1日にジョン・アップトン中佐がプネーに派遣され、新たにプランダル条約が締結されました。この条約では、ラグナート・ラーオが年金を受け取る代わりに宰相位への請求を放棄し、戦争が終結することが合意されました。また、イギリスはスーラト条約によって得たサルセット島を引き続き保持することとなりました。

その後の展開

プランダル条約の締結後も、ラグナート・ラーオはその後、フランスと新たな条約を結ぶ試みを行いました。これに対抗する形で、イギリスはラグナート・ラーオに対する攻撃行動に出ました。その結果、戦争は続行され、条約に含まれた戦争終了の条項は無効化されました。しかし、ラグナート・ラーオが受け取る年金およびイギリスへのサルセット島の譲渡に関しては、1782年に結ばれるサルバイ条約で再確認されることとなります。

関連項目

• - 条約の一覧
• - プランダル条約（曖昧さ回避）

参考文献

• - プランダル条約 - ブリタニカ百科事典
• - 小谷汪之『世界歴史大系　南アジア史2―中世・近世―』山川出版社、2007年。
• - ビパン・チャンドラ 著、栗原利江 訳『近代インドの歴史』山川出版社、2001年。
• - Sugden, John. Nelson: A Dream of Glory, 1758-1797. Henry Holt and Company: 2005. ISBN 0-8050-7757-X
• - The Great Maratha - Mahadji Scindia by N.G.Rathod. Retrieved July 23, 2013.

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